第188話 殉ずるは遥か彼方に ページ40
エマ「よっ!A姉!」
私は真一郎から離れて笑顔で片手をあげるエマちゃんの元へ足を進める。「エマちゃん……どうして……」と目に涙をためる私を見たエマちゃんは、苦笑いを浮かべた。
エマ「ゴメン、A姉……ウチ、バイクに轢かれちゃった」
『う…嘘でしょ…?嘘だよね…?』
エマ「もうA姉の話、聞いてあげられなくなっちゃった」
『ねえ…エマちゃん……嘘だって言ってよ……そんなのヤダよ……エマちゃんがいなかったら…私……』
とうとう泣き出した私に、エマちゃんは「大丈夫だよ、A姉。A姉はウチがいなくても、もう大丈夫」と私のことを抱きしめてくれた。
エマ「だから泣かないで、A姉」
『エマちゃん…っ…』
エマ「本当はもっと長生きして……A姉と旅行したかったし、たくさん遊びたかった……大人になって、A姉とマイキーの結婚式に出たかった……ケンちゃんに……“大好き”って伝えたかった……もっとみんなと一緒にいたかった」
『っ……』
離れたくないと言わんばかりにエマちゃんの背中に回す手に力を込めれば、「A姉…もう時間だよ。これ以上、マイキーの事待たせちゃダメ」と言われた。
エマ「ウチらはずっと……A姉の事…見守ってるから……A姉はウチらの分も、マイキーを支えてあげて」
『…………うん』
エマ「喧嘩してもちゃんと仲直りするんだよ?」
『…………うん』
エマ「マイキーとケンちゃんをお願いね」
『…………うん……エマちゃん』
エマ「ん?」
『大好き』
エマ「ウチもA姉のこと、大好きだよ」
第189話 冷める醒める夢の中→←第187話 睫毛が重なる前に
2293人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
れ(プロフ) - だいすきです (2021年8月17日 0時) (レス) id: 4a740cc430 (このIDを非表示/違反報告)
ハイジ - 泣いちゃいました。 (2021年8月14日 21時) (レス) id: 9aaf42bc91 (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - スズさん» お恥ずかしい話、私も泣きそうになりながら書いてました…感動していただけてとても嬉しいです! (2021年8月14日 3時) (レス) id: 7fa00bc5ae (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - 沙希さん» ありがとうございます!! (2021年8月14日 3時) (レス) id: 7fa00bc5ae (このIDを非表示/違反報告)
スズ(プロフ) - やばいです、187.188話感動して泣きました( ; ; ) (2021年8月10日 7時) (レス) id: 50e31b744f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:セシル | 作成日時:2021年7月17日 14時