第181話 愛を求めた嫉妬 ページ33
黒川「なぁ、美玖琉」
『ん?』
黒川「なんで、マイキーと付き合ってんの?オマエが好きなのは真一郎だろ?」
『え……』
黒川「真一郎とマイキーを重ねてるのか?」
『ち…違っ……た…確かに……真一郎とマイキーを重ねたことはあった……けど、私はマイキーのことが本当に……』
黒川「イラつくなぁ……オマエの口からマイキーの名前が出るのは」
『イ…イザナ…?』
上った階段を再び降りてくるイザナに、背筋が震えた。反射的に後ずさった瞬間、階段を踏み外して転げ落ちそうになる。そんな私の手をイザナが掴んだことで、ギリギリのところで踏みとどまることができた。
黒川「オレが手を離したら、オマエは真っ逆さま……打ちどころが悪けりゃ最悪死ぬかもな」
『っ……』
黒川「どうしてマイキーの手を取った?どうしてオマエの隣はオレじゃない……オレがオマエを見つけた時……オマエはもうマイキーのモンだった」
『イ…イザナ……何言って……』
黒川「美玖琉、オレはとことんマイキーを追い詰めて東卍を潰す……手始めは美玖琉、オマエだ。大事なお姫様が傷ついたら……マイキーはどんな顔をするんだろうな」
『っ…!?』
黒川「まあでも、オマエがマイキーと縁切って、オレのモンになるって言うなら……昔のよしみで助けてやらねぇこともねーよ」
イザナの目は、決して冗談を言っている目ではなかった。「どうする美玖琉?」と聞くイザナに、私は目をそらすことなく、ゆっくり口を開く。
『私は……マイキーと離れるつもりはない……イザナ、アナタのモノになんかならない』
黒川「……そっか」
パッと手を離されたことで、私の体は重力に逆らうことが出来ず、そのまま階段を転げ落ちた。
黒川「オレのモンにならねぇオマエなんかいらねーよ、美玖琉」
『っ……マ…マイキー……』
今まで経験したことないくらいの痛みが全身に走り、頭からは血が流れた。朦朧とする意識の中、なんとか手を動かしてマイキーに電話をかけようとしたが、それが叶うことなく、私は意識を手放した。
第182話 失うものばかり→←第180話 ハローウィークエンド
2293人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
れ(プロフ) - だいすきです (2021年8月17日 0時) (レス) id: 4a740cc430 (このIDを非表示/違反報告)
ハイジ - 泣いちゃいました。 (2021年8月14日 21時) (レス) id: 9aaf42bc91 (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - スズさん» お恥ずかしい話、私も泣きそうになりながら書いてました…感動していただけてとても嬉しいです! (2021年8月14日 3時) (レス) id: 7fa00bc5ae (このIDを非表示/違反報告)
セシル(プロフ) - 沙希さん» ありがとうございます!! (2021年8月14日 3時) (レス) id: 7fa00bc5ae (このIDを非表示/違反報告)
スズ(プロフ) - やばいです、187.188話感動して泣きました( ; ; ) (2021年8月10日 7時) (レス) id: 50e31b744f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:セシル | 作成日時:2021年7月17日 14時