despair9 ページ11
「Aさん。」
次の日の部活中。
「ああ黒ちん。どうしたの?」
「黄瀬くんが…」
え…??
「涼ちゃん!!」
職員室に向かってたら、ちょうど涼ちゃんが出てきた。
「どうして…っ女の子殴ったの?」
涼ちゃんは涙目だった。
「すごい…化粧してて、臭いやつが媚売ってきて…」
私、こんな涼ちゃん知らないよ…
「それで、気づいたら…」
私は涼ちゃんを抱きしめた。
「ごめんね涼ちゃん!辛かったよね、
苦しかったよね…」
私が孤独だった時、むっくんが支えてくれたみたいに。
「私、涼ちゃんのこと分かってなかった。
私はいつも笑顔で優しい涼ちゃんの…
一番の幼なじみだよ!」
「A…?」
涼ちゃんは私の頬を拭った。
…私も、泣いてた。
「はは…Aだ。化粧なんてない…」
「涼ちゃん…」
「やっと、見えた…っ」
二人で抱き合った。
涼ちゃんが涼ちゃんに戻ったんだ。
でもこの時、むっくんに何があったかなんて、知らなかったんだ。
「涼ちゃん、部活行こ?」
「うん…」
そう言えば…もう部活始まってるのに。
むっくん居なかったな…
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作者名:そみぃ | 作成日時:2015年4月20日 16時