検索窓
今日:24 hit、昨日:14 hit、合計:313,064 hit

Battle_474 ページ33

「ちょちょ、どうしたの急に」


どうして突然抱き寄せられたのか分かってないAをそのまま抱き込む。



.


僅かに抵抗を示す腕を「いいから」と無視してAの首筋に顔を埋めた。


俺の腕の中で、Aの力がだんだん緩んでいくのが伝わる。



「…仕方ないなぁ」

くたり、とAが俺に身を預ける。


口ではそんなことを言いつつも滲む嬉しさを隠しきれてない。



.






.




「俺さ、Aのことすげェ好き」




.



徐に、特に考えもせず頭に浮かんだままに口にした。




.





.

「まだ、18だから。


正直、愛だの恋だのを本当に理解してるかなんて、俺にも分からねェ。


結婚しよう、だなんてもっと大人になってからじゃないと言えねェ。


簡単に将来のことを約束できる仕事でもねェ。


明日の命も保障されてないような人間でィ」




.




.


最近、ふとしたときに考えることがある。




俺は、いつかAと出会ったことを後悔する日がくるのだろうか。




Aと出会い、大切なものを増やし、この世に未練を作るような真似をした。




剣に生き、剣に死ぬのが侍だとするならば、俺が死ぬときはきっと、ぽっくり逝けるモンでもないのだろうに。


俺の死に場所はきっと––––戦場だろうに。



.




いざ死ぬときに、大切なものを取りこぼそうとしたときに、2度と触れることができなくなるとき、俺はきっと、哀しくなる。


–––––ちょうど、姉上と別れたときのように。



.



大切なものさえ持たなければ、哀しまずに済むのならば、俺は大切なものを抱えてしまったことを恨み、悔やむのだろうか。


それとも、哀しみよりも、大切なものに出会えた己の人生を幸せだと思う気持ちのほうが勝るのだろうか。





.








.






.

「それでも、俺は、Aと一緒にいたい。


穏やかな毎日を約束なんてできやしねェが、お前の隣で、お前の笑顔を見て、2人でもがきながら生きていきたい」



.





きっと、いくら考えても死ぬまで俺の疑問の答えなんて出ない。




神様でも、仏でも、誰にも分からない。




なら、俺は。



.






.



与えられた今を幸せに生きられるように、大切なものを抱えて生きていく。

Battle_475→←Battle_473



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (695 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1553人がお気に入り
設定タグ:沖田総悟 , 銀魂 , 神威
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ての(プロフ) - ほんとにほんとに初めから最後まで素敵なストーリーで定期的に全て読み返しに来てしまいます!今もなお修正などこの作品を大切に残して頂けて嬉しいです!ありがとうございます!! (2020年3月12日 17時) (レス) id: 892b9edcae (このIDを非表示/違反報告)
レミリア - 内容が、ヤバイぐらい、キュンキュンしてた(//>∀<//) (2019年7月15日 0時) (レス) id: 16253bb5bd (このIDを非表示/違反報告)
あおい - 最高でした!終わるのが悲しいです.. (2018年11月24日 15時) (レス) id: e8f3408ea6 (このIDを非表示/違反報告)
- カイなのかリクなのかソラなのか、ごちゃごちゃになってますよ! (2018年6月15日 2時) (レス) id: 9c5cfdf043 (このIDを非表示/違反報告)
琴菜 - 面白かったですっ!お疲れ様でした! (2018年2月26日 3時) (レス) id: e179cd3389 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ひより | 作成日時:2015年11月28日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。