Battle_444 ページ3
＊Aside＊
「俺は、ちゃんと目の前にいるよ」
沖田の言葉に、まだ少し不安だったあたしの心はいとも簡単に解かれていく。
「…うん。
あたしの瞳には、心には、沖田が映ってる」
沖田の言葉は、魔法の言葉。
たった一言であたしの心を揺らす。
喜ばせたり、悲しませたり。
なんて傲慢な野郎なんだ。
…でも。
振り回されるなら、沖田からだけがいい。
.
.
「どうしてもっと早くに目覚めてくれなかったの」
結構本気で寂しかったんだけど。
少し拗ねたように言えば、「ああ、」と思い出したように口を開く沖田。
「お前にも俺の寂しさ思い知らせてやりてーなーと思って」
俺の寂しさ？
「どう、いう」
沖田が寂しかったなんて聞いたことない。
訳がわからない、という顔で見上げると、少し得意げな瞳とかち合った。
.
「お前さ、随分自分のことを棚に上げてるが、もうこれで入院3回目だよな？」
「うん、まあ、そうだけど」
何が関係あるんだろ。
とりあえず沖田の話に集中する。
「神威と闘ったときにしろ、讃岐屋の件にしろ、10日ぐらい死んだみてェに眠りこけてさ。
『今日は目覚めてるかねィ』て少し期待して、でもいつも目覚めなくて。
それを繰り返しながら通い続けた俺の気持ち、今のAなら分かるだろ？」
「あ…」
分かる。
だってそれは、ついさっきまであたしが抱いてた気持ちと全く同じだから。
同じだ、ということは沖田も寂しかったってこと。
目覚めないあたしを想って、毎日通い続けてくれていたんだ。
.
呆然とするあたしを見つめて、沖田が緩く笑む。
「分かったみてェだな」
「……うん」
「まあ俺の狙いとしては、これに懲りて怪我するような危ない真似すんなってことなんだけどねィ」
ぐりぐり、と沖田の拳があたしの頭に押し付けられる。
「あんま危ない真似すんなよ？
俺にとって、てめェは大切な存在だから」
あたしの「ありがとう」という言葉は、沖田の唇に溶かされた。
.
____________________________________________
まさかまさかの12章…！
最後までよろしくお願いします！！( ´ ▽ ` )ﾉ
いよいよアニ銀暗殺篇ですね…
私は将ちゃん大好きなので辛いながらも楽しみにしてます！
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ての(プロフ) - ほんとにほんとに初めから最後まで素敵なストーリーで定期的に全て読み返しに来てしまいます！今もなお修正などこの作品を大切に残して頂けて嬉しいです！ありがとうございます！！ (2020年3月12日 17時) (
レス) id: 892b9edcae (このIDを非表示/違反報告)
レミリア - 内容が、ヤバイぐらい、キュンキュンしてた（／／＞∀＜／／) (2019年7月15日 0時) (レス) id: 16253bb5bd (このIDを非表示/違反報告)
あおい - 最高でした!終わるのが悲しいです.. (2018年11月24日 15時) (レス) id: e8f3408ea6 (このIDを非表示/違反報告)
〇 - カイなのかリクなのかソラなのか、ごちゃごちゃになってますよ！ (2018年6月15日 2時) (レス) id: 9c5cfdf043 (このIDを非表示/違反報告)
琴菜 - 面白かったですっ！お疲れ様でした！ (2018年2月26日 3時) (レス) id: e179cd3389 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひより
| 作成日時：2015年11月28日 15時
