痣 3 ハルタ視点 ページ8
エ「んだよ?」
側に来たエースは殆ど無傷だ。
「この辺りの敵を一掃してくれ。覇王色ならできるだろ?」
エ「できるけどよ…俺覇王色嫌いなんだよな…」
「ズベコベ言わずにやる!」
エ「分かったよ!」
エースが覇王色を使うと雑魚どもの大半が倒れた。オレはエースに礼も言わずに、立っている奴を一人捕まえて訊いた。
「Aを知らないか?」
敵「し、知らねえよ」
そう答えた敵の足に躊躇わずに剣を突き立てた。
悲鳴があがり、鮮血が甲板を汚す。
「もう一度訊く。Aを知らないか?」
敵「お、おれたちの船だ!弱ってたから捕らえて牢に入れたんだよ!」
「…そうか。教えてくれてありがとな」
そして男を切り捨てるとオレは敵船目指して走り出した。
剣を赤く染めながらたどり着いた牢屋にいた見張りを三人切り捨てて海楼石の錠の鍵を奪うとAを探す。
「Aー!!返事してくれー!」
すると、一つの牢の前に倒れている男が二人いた。
もしやと思いそこに行き牢の中を覗き込むと、捕らえられ、血を流しているAの姿があった。
脳裏によぎった“ あの時 ”のAの姿。
「A…!!」
名前を呼ぶと、Aは目を開けた。
A「あれ?お兄ちゃん?」
何ともなさそうな様子に思わずズッコケそうになる。
「何捕まってんの…」
A「ゴメンゴメン…」
そう言ったAの顔色は悪い。“ あの時 ”よりはマシだけど…。
「取り敢えず海楼石の錠を外すから」
鍵を鍵穴に挿そうとするけれど、手が震えてなかなか上手く挿さらない。
A「お兄ちゃん?どうしたの…?」
「…何でもない」
Aの顔を見れない。思い出したくない…けど、逃げてばかりじゃいけない事は分かっている。いくらAが許してくれても、オレは…オレたちは自分自身を許せない。
A「…大丈夫だよ。これくらい。だから…そんな顔しないで」
オレは…怖いんだ。
Aを失うかもしれない事が。
同時に自分が許せない。
能力とはいえ、大切な妹を忘れてしまった自分に怒りが湧く。
だけど、Aが生きていると分かった時、嬉しくもあった。殺す事がなくてよかったって思った。
矛盾だらけの感情が嫌になる。
「…ゴメン」
Aの錠を外すと、倒れ込んできた身体を抱き締めた。
A「何で謝るの?謝るのは私の方なのに…。怪我した事黙ってて…そのまま戦闘に参加して…」
「いいよ、もう…。…帰ろう、A」
A「うん…」
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右京 - シュケルさん» 10億越えですかね?? (2018年12月10日 4時) (レス) id: 3f85b3967d (このIDを非表示/違反報告)
シュケル - 右京さん» 今回もそうなるでしょうね!! (2018年12月9日 19時) (レス) id: 355b3beae0 (このIDを非表示/違反報告)
右京 - ヒロインの懸賞金も上がることでしょう!!今回も!! (2018年12月9日 4時) (レス) id: 3f85b3967d (このIDを非表示/違反報告)
右京 - ハルタはマムの幹部の誰かとやり合うでしょうかね?? (2018年12月8日 22時) (レス) id: 3f85b3967d (このIDを非表示/違反報告)
右京 - カタクリは手ごわいですもんね!! (2018年12月8日 0時) (レス) id: 3f85b3967d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:焔彩 | 作成日時:2017年11月25日 13時