circus * ページ39
その日、モビーが笑いで包まれた。
事の発端はサッチの一言から。
サ「エース、ハルタ、マルコ。少しサーカスの格好してみろ」
唐突に脈絡もなく切り出されたお兄ちゃんたちは当然困惑していた。
ハ「何でオレがそんな格好しないといけないんだよ?」
マ「同感だよい。俺はお前と違って忙しいんだよい」
エ「面倒」
そう言うとエースは目の前にあったケーキ(食後のデザート)を食べはじめ、マルコは新聞に目を通しはじめ、そしてお兄ちゃんは席を立とうとした。
サ「せっかく衣装用意したのにな〜。Aだって見たいだろ?」
肩に腕を回されてそう訊かれる。
「いや、私は別に…」
サ「見たいよな?」
「…うん」
言わされた感じになったけど、興味がないと言えば嘘になる。
エ「えー!!?おい待てよA!」
エースは私をサッチから離すと肩を掴んできた。
エ「本気で言ってんのか?」
「んー…そうだね、本気かも」
私はエースの口元に付いている生クリームを指でとる。
エ「や…やってやろうじゃねえか!」
そう言って立ち上がったエースの顔が真っ赤だったのは気にしないでおこう。
「お兄ちゃんは?」
ハ「…パス」
「マルコ」
マ「そうだねい、お前が俺の手伝いをしてくれるってんなら考えてやるよい」
サ「Aは快く手伝うそうだ」
「そんな事言ってないでしょ。手伝うって何をするの?」
紅茶を一口飲んでから訊く。
マ「お前がイゾウを手伝うのと同じだよい」
「なら手伝うよ」
サ「後はハルタだけだな」
ハ「何でそんなにやらせたいんだよ?」
サ「面白そうだろ?」
「楽しそうだよね」
するとお兄ちゃんは盛大にため息を吐いた。
ハ「やればいいんだろ…!」
そうして今に至る。
白のシャツに黒のベスト、水色のスーツに身をまとったマルコ。エースはというと、白いシャツにオレンジのスーツ。手にしたトランプを燃やしている。二人は、サーカスというより炎を出しているからマジシャンって感じだけど…。問題はお兄ちゃんだ。
ピエロみたいなヒラヒラした派手な服に風船で作った剣。鼻には赤くて丸い鼻を付けている。頭に乗っている小さくて緑色の帽子。
エ「おまっ…!!何だそれ…!!」
マ「こりゃ…傑作だねぃ…!!」
「に、似合ってる…よ…!」
サ「想像以上…!!」
皆でお腹を抱えて笑っていると、お兄ちゃんが風船ではなく本物の剣を取り出した。
ハ「Aとオヤジ以外で笑った奴は前に出ろ!!」
その後は命がけの鬼ごっこが始まり、私とオヤジは楽しく見ていた。
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シュケル - アンさん» どんな薬にもられたか気になりますな!!!そのリクは!!! (2017年11月25日 4時) (レス) id: 355b3beae0 (このIDを非表示/違反報告)
アン - またリクいいですか?夢主が敵船で薬をもられてしまった話なんてどうでしょうか? (2017年11月24日 18時) (レス) id: b92627aaf7 (このIDを非表示/違反報告)
アン - また最初から見てしまいました!やっぱり素敵なお話ですね! (2017年11月24日 18時) (レス) id: b92627aaf7 (このIDを非表示/違反報告)
シュケル - 隊長達は注射は苦手ですかね?? (2017年11月24日 16時) (レス) id: 355b3beae0 (このIDを非表示/違反報告)
シュケル - インフルエンザの季節ですから注射リクを提案を思い至りました!!! (2017年11月24日 7時) (レス) id: 355b3beae0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:焔彩 | 作成日時:2016年12月25日 9時