掃除 ページ3
年の瀬が近づいた今日、モビーは慌ただしくなっていた。それは決して浮かれた気持ちからではなく、今朝隊長から言い渡された事が原因だ。
「エース!隊長なんだからきちんと掃除しなきゃダメでしょ?!」
エ「してる」
「同じ所しかしてない!」
原因は大掃除。隊で分担して広いモビーを掃除する事になったけど、エースはサボるだろうから、という理由で私が監視役につけられた。
「ほら、ちゃんと掃いて。できるでしょ?」
エ「…Aがご褒美くれるならもっと頑張れる」
調子にのったのかそんな事を言われる。これがお兄ちゃんとかなら怒るけど、可愛い弟のいう事はきいてあげたいと思ってしまう。不思議だ。
「…何?」
エ「次の島に着いたら一緒に飯屋行ってくれるか?!そんで、買い物とかしようぜ!」
「それでいいの?」
エ「おう!」
「いいよ。行こっか」
そう笑顔で言えば張り切って掃除に取り掛かるエース。単純なのか、純粋なのか…。
しばらく黙々と掃除をしていると、すっかり綺麗になった。
「こんなもんかな。エース、どう?」
隊長である彼を見ると満足そうな顔をしていた。改めて綺麗になった書庫を見回す。いつもは埃が積もっている床が僅かに輝いてみえる。
「じゃあ次はエースの部屋行こうか」
エ「ゲッ!何でだよ?!2番隊に割り振られたのはここだけだろ?!」
「エース普段掃除しないでしょ?隊長の部屋は広いんだからさ、掃除しなきゃ。手伝うから」
嫌そうな顔をされるけど、腕を引いて行く。
唯一の女性戦闘員である私には特別にお兄ちゃんとオヤジの考慮から隊長と同じ大きさの一人部屋を与えられている。広いから一人には十分すぎるんだよね。
エ「…Aの手料理付きな」
「はいはい」
エースの部屋に向かうと、想像以上に汚くて驚いた。
エースの部屋にはあまり来ないから余計精神的ダメージがくる。
「…エース?」
エ「し、仕方ねえだろ!面倒なんだよ!」
「いいからやるよ!」
箒を渡すとスゴスゴと掃き始める。
エ「Aはいいのか?」
「私の部屋がどんな感じか知ってるでしょ?」
エ「ハルタとかは…」
「お兄ちゃんも綺麗よ」
エ「俺だってその気になれば…」
「なりなさいよ」
エ「見てろよ!」
綺麗にしてからどれだけ長続きするか楽しみだけど…。
ハ「二人ともできた?」
イ「手伝ってやるぞ」
エ「余計なお世話だ!帰れ!」
「手伝ってもらいましょ」
エ「帰れ!」
ハ「はいはい。頑張れ」
結局二人でやって、終わったのは日が沈みかけた頃だった。
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シュケル - アンさん» どんな薬にもられたか気になりますな!!!そのリクは!!! (2017年11月25日 4時) (レス) id: 355b3beae0 (このIDを非表示/違反報告)
アン - またリクいいですか?夢主が敵船で薬をもられてしまった話なんてどうでしょうか? (2017年11月24日 18時) (レス) id: b92627aaf7 (このIDを非表示/違反報告)
アン - また最初から見てしまいました!やっぱり素敵なお話ですね! (2017年11月24日 18時) (レス) id: b92627aaf7 (このIDを非表示/違反報告)
シュケル - 隊長達は注射は苦手ですかね?? (2017年11月24日 16時) (レス) id: 355b3beae0 (このIDを非表示/違反報告)
シュケル - インフルエンザの季節ですから注射リクを提案を思い至りました!!! (2017年11月24日 7時) (レス) id: 355b3beae0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:焔彩 | 作成日時:2016年12月25日 9時