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日だまりの中で ページ20

秋島に着いた私は早速エースと上陸していた。
「何食べる〜?」
エースが手を繋いできたから仕方なくそのままにしている。
エ「珍しいな、普段全然食わねえのに」
「秋って言えば美味しいもの多いから、いつもより食欲がね」
エ「そうだよなー!よし!取り敢えず行こうぜ!まずは…栗飯!」
というわけで一緒に飯屋に向かう。

いつもの事ながら…。
隣で寝るエースを見てからメニューを開いて、起きた時用に私が食べるものとエースが食べるであろうものを頼む。
今日はお金たくさん持ってきたから大丈夫なはず。
エ「っ!寝てた!」
「うん、起きた?多分もうすぐ頼んだやつくると思うから食べよ?」
エ「おう!」
満面の笑みで言われたらついつい彼の頭を撫でていた。
無意識でやったという事に手がとまり、咄嗟に引っ込める。
エ「?」
不思議そうな顔しないでよ…。
どうしたらいいのか困っていると、タイミングよく運ばれてきた料理の数々がテーブルに並べられる。
エ「すげえ!全部食っていいのか?」
「私にも少しちょうだいね」
そう言えば一気に口に運んでいくエース。
その様子を見ながら、サツマイモのパフェを食べるとすごく美味しくて思わず口を抑える。
「エース、これ美味しいよ」
スプーンに乗せてエースの口元に運ぶとパクリと食べる。
エ「美味っ!」
目を輝かせるエース。
可愛い…。なんか、癒される。
エ「これも美味いぞ」
差し出された秋刀魚の塩焼きを食べると、ただの秋刀魚の塩焼きのはずなのにいつもより美味しく感じた。
「確かに。じゃあこっちは…」

飯屋を出た私は空っぽになった財布事情を嘆くより、弟との食事を楽しめた事の方が嬉しかった。
「ちょっと散歩しようか」
食べ過ぎて散歩に誘うと、二人で砂浜を歩く。
少し離れた所にモビーが見えている。帰った時の事は今は考えたくない。この楽しい時間を思う存分楽しみたい。
「エース、楽しかった?」
エ「あぁ」
夕日が辺りを照らし、エースの横顔が赤くなっている。私の顔もそうなっているのだろうか。
「私も楽しかった。ありがとね。付き合ってくれて」
エ「…いいのか?奢ってもらって」
「いいよ」
エ「…ありがと」
「また行きましょうね」
エ「あぁ!」
とても温かいその手を、握り返すと強く抱きつかれて、その温もりに笑顔が溢れた。

親娘→←兄妹



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シュケル - アンさん» どんな薬にもられたか気になりますな!!!そのリクは!!! (2017年11月25日 4時) (レス) id: 355b3beae0 (このIDを非表示/違反報告)
アン - またリクいいですか?夢主が敵船で薬をもられてしまった話なんてどうでしょうか? (2017年11月24日 18時) (レス) id: b92627aaf7 (このIDを非表示/違反報告)
アン - また最初から見てしまいました!やっぱり素敵なお話ですね! (2017年11月24日 18時) (レス) id: b92627aaf7 (このIDを非表示/違反報告)
シュケル - 隊長達は注射は苦手ですかね?? (2017年11月24日 16時) (レス) id: 355b3beae0 (このIDを非表示/違反報告)
シュケル - インフルエンザの季節ですから注射リクを提案を思い至りました!!! (2017年11月24日 7時) (レス) id: 355b3beae0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:焔彩 | 作成日時:2016年12月25日 9時

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