兄妹 ページ19
春島の春。一番好きな気候だ。
「お兄ちゃん！」
ハ「…何？」
お兄ちゃんの部屋の扉を思い切り開けて中に入ると、不機嫌そうなお兄ちゃんが机と向き合っていた。
「…何してんの？」
ハ「書類片付けてんの！」
「まだ提出先でしょ？出かけようよ」
ハ「うーん…」
渋るお兄ちゃんの腕を掴んで無理やり立たせる。
「ね？」
ハ「…そうだね」
了承してくれたから一緒に船を降りる。
ハ「で、どこ行くの？」
お兄ちゃんの腕に自分のを絡ませながら道を進む。
「オヤジから聞いたんだけどね、この島は刀の製造が盛んなんだって」
その言葉に反応するお兄ちゃん。
ハ「マジで？！行こ！」
「持ってるよね…？」
腰にさしてある剣を指差す。
ハ「これはオレの大事なモノだよ。でもそれはそれ。見るのはタダだし」
そう言われて今度は私が腕を引かれる。
刀の展示場に着いたお兄ちゃんは目を輝かせて刀に魅入っている。
何がいいのか分からない。
ハ「Aは剣術使えないからつまらない？」
「ううん」
使えなくても刀を見るのは好きだ。
「それに、お兄ちゃんと出かけるのは楽しい」
笑顔で言えば勢いよく抱き締められる。
ハ「あー！もう可愛いなぁ！」
周りの視線が気になる。
こんな事を平気でしているからマルコやオヤジに、本当に血の繋がった兄妹かって疑われるんだ。
「苦しいって…！」
お兄ちゃんは離れると早速刀を見始めた。
「…刀って全部同じに見えるんだよね」
ハ「まぁ知らないとそうだよね。オレやビスタ、サッチみたいに剣術使える奴は見れば分かるけど、イゾウとか全然分からないらしいし」
「私は銃も全部同じに見える」
ハ「Aはもう少し目を養った方がいいね」
「いいよ、そんなの」
そんなの養ってもどうしようもできない。
ハ「…そっか」
「あっ！お兄ちゃん見て！あの刀なんかすごい！」
一際目を引く刀は黒刀。
ハ「へぇ、大業物か」
「買うの？」
ハ「いらないよ。オレにはこいつがあるし。そもそもそんな金持ってない」
腰にさした剣を持つと笑顔で言う。
まぁ、お金は大切よね。無駄遣いするとマルコ怒るし。
ハ「それより、オレはもういいから今度はAの好きな所行こう」
「いいの？」
ハ「あぁ」
「じゃあね…」
そうして日が暮れるまでお兄ちゃんを連れ回したのは言うまでもない。
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シュケル - アンさん» どんな薬にもられたか気になりますな！！！そのリクは！！！ (2017年11月25日 4時) (
レス) id: 355b3beae0 (このIDを非表示/違反報告)
アン - またリクいいですか?夢主が敵船で薬をもられてしまった話なんてどうでしょうか? (2017年11月24日 18時) (レス) id: b92627aaf7 (このIDを非表示/違反報告)
アン - また最初から見てしまいました！やっぱり素敵なお話ですね！ (2017年11月24日 18時) (レス) id: b92627aaf7 (このIDを非表示/違反報告)
シュケル - 隊長達は注射は苦手ですかね？？ (2017年11月24日 16時) (レス) id: 355b3beae0 (このIDを非表示/違反報告)
シュケル - インフルエンザの季節ですから注射リクを提案を思い至りました！！！ (2017年11月24日 7時) (レス) id: 355b3beae0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：焔彩 | 作成日時：2016年12月25日 9時
