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服 *ハルタ視点 ページ15

イ「おいハルタ」
甲板で海を眺めていたら16番隊隊長のイゾウが声をかけてきた。
「何?」
イ「暇そうだな。明日一緒に上陸しねえか?」
今いる島は服作りで有名な島らしい。オレは興味なかったから上陸してない。
「いいよ。じゃあ行こうか」

上陸してまず向かったのは服作りの職人の所。
イ「お前は服に面白みがねえんだよ」
「服に面白みなんて求めてないんだけど?」
イ「そう言うなよ。こういう服が着たいとかあるだろ?」
…ないと言ったら嘘になる。
昔Aに言われた事が頭をよぎる。
「…行くぞ」
しばらく歩きながら話をする。
イ「最近どうだ?隊長になった感想は?」
「隊長って何かと大変なんだな。マルコたちはすごいよ」
イ「マルコが一番大変だからな」
イゾウが一つの店に入ったからオレも続く。
店「いらっしゃい。…なんだ、あんたか」
イ「なんだって…酷えな。今日は仲間を連れてきたんだ」
店主はオレを見るとメモを取り出した。
店「どんな服がお望みだい?」
どんな服…。
イ「面白みがある服にしようぜ」
少し考える。
「じゃあ…王子様みたいな服がいい」
一瞬の沈黙。
そして響くイゾウの笑い声。
イ「お、お前…何言い出すかと思えば…!傑作だ…!」
「うるさい!ほっとけ!」
Aに昔王子様みたいって言われたからそうしようと思ったんだけど、その理由は何となく言いたくない。
店「じゃあ一緒に型紙に起こすか」
「おう」

イ「いや、そこはもっとこうした方がいいんじゃねえか?」
笑いながら横から口を挟むイゾウ。
「ちょっとイゾウ黙っててくれる?!」
イ「こんな面白いのに黙ってられるか」
こいつと来たのは間違いだったかもしれない。

数日滞在して、服が完成したから取りに行くと、予想していた以上にいいものが出来上がっていた。
「ありがとな」
店「まいど」
早速着て船までの道のりを歩く。
そういえば今日はサッチが忙しそうだったな。何かあるのかな。
「ただいま」
船に着くと乾いた爆発音がして咄嗟に構えるけど、身体にまとわりついたリボンや紙吹雪に力が抜ける。
「…何これ?」
マ「お前の隊長就任を祝っての宴だよい」
「は?」
マ「とにかく、今日の主役はお前だよい。これから頼むぜ。ハルタ隊長」
胸の奥が熱くなった。色々な感情が混ざり合って、形容できない感情が湧き上がってくる。
でもこれだけは言わなきゃいけない。
「あぁ。任せろ」
頬を何かが濡らすと、皆に笑われた。
この船に乗ってよかった…。

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シュケル - アンさん» どんな薬にもられたか気になりますな!!!そのリクは!!! (2017年11月25日 4時) (レス) id: 355b3beae0 (このIDを非表示/違反報告)
アン - またリクいいですか?夢主が敵船で薬をもられてしまった話なんてどうでしょうか? (2017年11月24日 18時) (レス) id: b92627aaf7 (このIDを非表示/違反報告)
アン - また最初から見てしまいました!やっぱり素敵なお話ですね! (2017年11月24日 18時) (レス) id: b92627aaf7 (このIDを非表示/違反報告)
シュケル - 隊長達は注射は苦手ですかね?? (2017年11月24日 16時) (レス) id: 355b3beae0 (このIDを非表示/違反報告)
シュケル - インフルエンザの季節ですから注射リクを提案を思い至りました!!! (2017年11月24日 7時) (レス) id: 355b3beae0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:焔彩 | 作成日時:2016年12月25日 9時

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