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「なるほど。
 それでは貴方にアリバイはあるんですね」

 手帳にメモをする警部さん。
計画通り。念のために小太郎たちと一緒に居てよかった。

「もういいですか?」

「はい。お時間とらせてしまい申し訳ありません」

「これで事件解決につながるなら。それに僕は大したことしてませんよ」

 少し目を細める警部さん。
まだ疑っているのか。当然と言えば当然だけど。

「いえ、とても重要なことでした。
 会計は私がすませておくので先に車に行っておいてください」

「はい」

 鍵を渡される。
言われた通り鍵を持って車へ向かった。
助手席に座って戻ってくるのを待つ。…あれ。

「…こんなの、置いてあったか?」

 茶色い封筒。拾い上げてみると封がしていなかったようで中にあるものが流れ出てきた。
急いで拾おうとしゃがみ、ふと見えた中身は…

「…え」

 布を被ったロボットが木村を刺している。
布を木村にかぶせている。そのまま歩いて去る…
僕の犯行の、一部始終の写真があった。
それと、木村の写真が十数枚。鮮明な写真に吐き気がする。
とにかく、早く封筒の中に戻さないと。

「…」

 戻ってくるまでに封筒に入れることは出来た。
本当に…何だったんだ、あれは。

「お待たせしました。
 …何か触ったりしてないですよね?」

「何も。触られたらいけないものでもあったんですか?」

「指紋とか残るじゃないですか」

「そうですか」

 何か雰囲気が違う…?
明るい雰囲気になったというか、親しみがこもったというか…

「じゃあ帰りましょうか。
 シートベルト絞めてください」

「…はい」

 今は気のせいだと思う事にしよう。
花の香りがする。さっきまではしなかった、小太郎の家と同じ匂い。
…今のところ、全て気のせいだ。

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作者名:future*show | 作者ホームページ:   
作成日時:2021年8月4日 17時

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