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「木村の家族は来ていないのか?」
「来ないみたいだな。
…君たちの家族は心配しないのか?」
「家にいない」
「一応連絡はしてあります。
…眞弥、卯妙。母さんも心配しますし、そろそろ帰りますか?」
眞弥は頷く。
…卯妙はずっと僕のほうを見ていた。
「…どうしたんだ?」
「これから一人で家にいるのも不安でしょうから、
当初の予定通り泊って行ってくれませんか?
それに、僕たちも不安なので」
「もちろん、その予定だ」
何でわざわざそんなこと…いや、待てよ。
確か卯妙は木村を見つけた時も冷静だった。
何で…?
「じゃあもう帰りましょう。
歩原君は残りますか?」
「あぁ、オレは残る。
一応家族に連絡はしてるし、木村君のご家族にも報告している」
「そうですか…
もう暗いですし、帰るときは気を付けてくださいね」
「ありがとう、生鹿君」
小太郎は相変わらず可愛い。
歩原が仲良くしているのは気にくわないが…
流石にこれで歩原を傷つけるのは不自然だ。
大人しく様子を見てしばらく月日が経ってからロボットで襲うとしよう。
「…小太郎、大丈夫か?」
「大丈夫ですよ!
跳野君は少しやつれてますけど、大丈夫ですか?」
やつれてる…まだ継続できているんだな。
明らかに大丈夫じゃないのに僕を心配してくれるなんて、本当に優しい。
「母さん、怒ってるかな?」
「事情を説明したら納得してくれますよ。
…学校とか、大騒ぎになるんだろうなぁ…」
「複数人で登下校するように、とか言われそうだな。
二人とも気を付けるんだぞ?」
「青にーちゃんもな!
しっかりにーちゃんを守ってくれよ!」
もちろん、とうなずく。
そもそも、木村を襲ったのは小太郎を守るためなんだから。
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作者名:future*show | 作者ホームページ:
作成日時:2021年8月4日 17時