【ヤンデレ】色を失くした君に【オリジナルBL】 (ページ18)

今日:3 hit、昨日:6 hit、合計:13,282 hit

１７ページ18

学校へ着いた。
小太郎は自分の教室にいるだろう。
先生から何か言われるだろうか。別にどうでもいいけど。
廊下がドタバタと騒がしい。
しばらくして教室に入ってきたクラスメイトが声をかけてきた。

「委員長、おはよう」

「…おはよう、秀同院。
　今日も散々やらかしてきたみたいだな」

　秀同院衣萩。僕のクラスの園芸委員。そして秀同院グループの御曹司。
少し控えめな性格で、あまり前に出て発言することはない。
僕と仲が良いのは…彼が僕の”理解者”だからだ。

「本当に照れ屋さんなんだ、彼は。
　いつまでたっても僕のことを名前で呼んでくれないんだから…」

「嫌われてないかお前」

「さぁね、どうだろう。
　ただ分かってるのは僕は彼…翼君のことが好きという事だけだよ」

　Ａ組の学級委員、鶴宮翼。
秀同院が思いを寄せている相手。
つまり、小太郎に好意を抱く僕と同じ。
ただ違うのは…

「昨日は彼の友人と仲良く話しているのを見かけたんだ。
　とても楽しそうで…可愛らしかったよ」

「お前は本当に変わってるな」

「そうかな？」

　嫉妬という感情がない。
相手がどんな相手と仲良くしていようとも何も感じないのだ。
逆に嬉しそうにしている。小太郎と触れ合う奴を排除する僕からしたらかなりの変人だ。
だが、もちろん共通するところもある。

「ところで木村が怪我をして治療のため入院中みたいだね。
　過激だなぁ、委員長」

「別に。
　お前も鶴宮が襲われそうになっていたら相手を殺すだろ」

「もちろんだよ。
　彼から笑顔を奪うなんて、そんなのあっちゃいけない」

　好きな相手に危害を加えるものには容赦しない。
互いに犯人だと分かっていても黙っておく。
それが最初に僕とこいつが交わした契約だ。