青い猫の仰せのままに(×in)

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話も盛り上がり、いつの間にか店が閉まる時間になった。

会計を終え、俺の車に移動する。
伊野尾くんは顔が真っ赤になってて、若干千鳥足。

…飲ませすぎたかな？

助手席に座らせてシートベルトをしたのを確認して、俺も運転席に座る。

伊野尾くんは、手で顔を仰ぎながらふぅーっと二酸化炭素を吐き出した。


in｢ちょっと飲みすぎた〜｣

tk｢ごめんね、俺が勧めたから…｣

in｢違うって！楽しすぎて飲むペース早くなっちゃったのー！｣


ニコニコ笑顔の伊野尾くん。
酔ってるのが伝わってくる。

…楽しんでもらえたなら、よかったな。

今度からは、伊野尾くんの飲める範囲を考えて飲ませよう。と密かに心に誓った。


in｢あ、そういえばいくらだった？｣

tk｢え？｣

in｢俺も半分出すからさ｣


そう言いながら、伊野尾くんはカバンの中から財布を取り出そうとした。


tk｢いや、いいよ。俺が誘ったんだし｣

in｢でも、あそこそこそこしたでしょ？｣

tk｢伊野尾くんは気にしなくていいの｣

in｢いや…｣

tk｢伊野尾くんが楽しかったんなら俺は満足だよ？｣


思ったことを素直に言ったら、隣の伊野尾くんが黙り込んだ。

少しは意識して貰いたくて必死なんだよ、これでもさ。



in｢んー、たかぎの彼女は幸せだね｣

tk｢え？｣


いきなり脈絡のない話になって、思わず彼の方に顔を向けた。
運転してるからすぐに前を向いたけど、目だけはちらちらと彼を見る。


tk｢急にどうしたの？｣

in｢えー？だってさぁ、見た目も中身も最高じゃん！優しいし気が利くし。俺が女だったらそんな奴がいいもん｣

tk｢…そんなことないよ｣



…これって無自覚？天然？

そんなん言われたらさ、俺期待しちゃうよ？


今すぐ彼を抱きしめたいけどなんとか我慢して、彼のマンションに到着する。

パーキングに車を停めて、ほろ酔いの伊野尾くんを連れていき、水が欲しいと言ったから中に入った。

コップに水道水を入れて、ソファに身を預ける伊野尾くんに渡す。


tk｢大丈夫？｣

in｢ん…だいじょーぶ。わざわざありがとね？本当にいい彼氏になるよ、たかぎは。｣


また、その言葉。

もう我慢しなくていいかな？





tk｢…じゃあさ、俺を伊野尾くんの彼氏にしてよ｣


もう親友じゃ、満足出来ないんだ。

そう言って、頬にキスを落とした。



さっき赤みが減った顔が、トマトみたいに真っ赤に染まる。
ねえ、顔が真っ赤なのはお酒のせい？
それともｰｰｰｰｰ･････



ーーーfin,

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