【3*黒バス】泣くな、笑え笑え。【虹村修造】

。主張しない優しさ ページ25

【虹村side】


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＿＿合格発表の日。



ほぼ自分のことのようなAの合格発表が、
俺は楽しみのようなそうでないような……＿＿。


俺はAを信じてる。



だけど、どれだけ信じていても、時間を止めることは不可能で。




カチカチ..と鳴る針の音のせいで、
鼓動がだんだん早くなっていく。



止まれ、止まれ、止まれ...。



何度唱えても止まらない時間に、理不尽なのは分かっているけれど苛立った。





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そのうち、母さんが大きな荷物を持って部屋に入ってきた。



「..そろそろよ」



時計を見ると、まだそれほど急ぐような時間ではなかった。


･･余裕を持って行こう、ということか･･･。



「わかった」



全部物が無くなると、こんなに広かったんだな…、と
柱のキズくらいしか無くなった自分の部屋を見つめる。


玄関を出てから、後ろを振り返ったけれど、
見慣れすぎて逆に「ここどこだっけ、」と一瞬迷ってしまった。



不思議な感覚だ。





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空港までのバスのなかで、携帯を開きAにメールをする。



『帝栄(ていえい)国際空港。4時出発』



『転ぶなよ』




＿なんか、優しさがない文章。
ひとことでは言い表すことのできない感情と、今まで何回も口に出したことのある心配が、
何故か、今さら照れくさくなって。




『時間なかったら――』



それ以上のことを、伝えることはできなかった。





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