【3*黒バス】泣くな、笑え笑え。【虹村修造】

。律儀に ページ11

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修造から届いた年賀状。
山と日の出のスタンプが押されており、もう一人の修造が脳内で叫んで消えた。



『新年あけましておめでとうございます』


という、修造らしい真面目な挨拶から始まって


『ラストスパート。頑張れよ！』


私よりも綺麗な字で。


そして、端っこの方に追記として、こう書かれてあった。



『メールで言うの忘れてたけど、午前十一時な』




……そうだ、メール！


横に置いてあった携帯。
受信画面を開き、既に保護済みのメールをもう一度目で読む。



『2日、初詣行かね？』



振袖。おみくじ。
..あ、絶対楽しい。




「お母さんー！」



行くのは明日だけど、いてもたってもいられなくなって。
台所でおせちを作っているお母さんを呼ぶ。



「はーい！」


だけど、返事だけで一向にリビングへ来る気配が無い。
仕方ないか、と台所へ行くと、お寿司屋さんで必ず注文する数の子の匂いがした。



「数の子！」


「そうよー、コレが無いとね」



別に数の子が無くても始まるものは始まると思うけれど、上機嫌のお母さんにそんなこと言えない。
振袖の着付けをしてもらえなくなるのは勘弁の一言で済まされる話じゃない。




「そうだ、何か用事あったんじゃないの？」



「あ、そうそう。振袖をね......」




当初の目的を忘れかけていた。危ない。
もう私もそろそろなのかな......、なんてまだまだ先の心配事を頭に思い浮かべながら、振袖の着付けを頼んだ。



「そんなこと頼むなんて、もしやA…!」


そう言われたうえ、にやにやされる。



……なんか恥ずかしい。




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