4 あの人 ページ39
カナside
あ!あの人……
私が階段で及川さんを抱えて座っていると、主に似た人が階段を上ってきた。
すると、いきなり声をかけられた。
「ん?カナ……こんなところでなにやってるんだ?」
「あ…えと……あ!そうだ!!あの人から伝言があるんです!」
「あの人?ああ……若頭のことか」
「は…はい。あの…ご家族……なんですか?」
そう聞くと、ああ、と言ってうなずいた。
「あいつはオレの弟だよ。双子のな。」
「えっ……あの人が弟なら……あなたはなんで主じゃないんですか?」
「だって、女が主だったら変だろ?だからオレは一応あいつの補佐……的な感じ」
「あ……女の人だったんですね……確かに声はあの人より高い……」
「カナ……無自覚なのはいいけど…時々、人を傷つけるよ」
そういったあの人のお姉さんに、すみませんっ!と謝った。お姉さんはいいよ、と言って許してくれた。
姉弟で……優しいんだな。
「で、伝言って?」
「あ、はい。『すぐに来い』とのことです」
「命令かよ……まったく……さて、行くか。ありがとな、カナ。気をつけて帰れよ。」
「あ、はい。貴女もお気をつけて……」
そう言うと、手を降ってくれた。
さて、皆心配するから別荘に戻ろっ!
149人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:桜 | 作成日時:2015年2月27日 20時