1 陰陽術 ページ16
「ま〜ったく……あんなガキのイタズラに引っ掛かってんじゃねぇよ」
あ、父さんだ。
オレは雪女の足に引っ掛かっている紐を解いて、父さんのほうを見た。
「だらしねぇなぁ〜」
すみません…としょんぼりしている。しかもあれ、昨日青が掘った穴だし。
「雪女、危ないから、ちょっと下がってて」
そういうと、雪女は首をかしげ、はいと言った。
そして、父さんが青たちに手をかけたその時
「爆」
そう言うと、ドゴオォォンと、先程の穴より、ずっと大きくて深い穴ができた。
そこに、父さんが一緒に落ちていく。
「な…なんだ!?」
や……ヤバイ…もう………無理…
「ブッ……アッハハハハハハハ!!」
「「「!?」」」
「クククッヤベェ、お腹痛……アハハハハハ!!」
「A……様……今の…陰陽術…ですか?」
「ああ、そうだよ。大丈夫、滅したりしないから」
そうだよ。というと、雪女は顔を真っ青にしたので、滅しないと言ったら、ほっと、安堵の息をついた。
ホント、雪女はいつも百面相してるねぇ〜
でも、ほのぼのムードもそこまで……
「A……てめぇ〜〜」
ヌォォォという音がピッタリな、土まみれの父さんが穴から出てきた。
「あ、父さん……ヤベ」
「待て〜〜〜〜!!A〜〜〜!!!」
「うわあぁぁぁ!!ご、ごめんなさぁ〜い!!」
そして、オレと父さんの鬼ごっこは、ながーく続いた。
(マジで“鬼”ごっこだった……父さんの後ろに般若が見えた……)
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作者名:桜 | 作成日時:2015年2月27日 20時