1 付喪神の心 ページ34
「お…陰陽師だって!?け…花開院さん!?今…たしかに…あなたそう…言ったんだね!?」
ゆらがコクと頷く。
「この町…浮世絵町はたびたび怪異におそわれると有名な町
うわさでは妖怪の主が住む街とすら言われているんです…」
ギクゥッ
「私は…一族に試験として遣わされたんです
より多くの妖怪を封じ!!そして…陰陽道の頂点に立つ花開院家の当主を継ぐんです」
ニコッとわらってゆらは言った。
ある程度話していると、プルプルと人形が動き出した。
帰りたい……あの子のところに……どうして…私を捨てたの?私のこと…嫌いになったの?
!これは……人形の心の声……!
ガアアアアと人形は襲ってきた。
確かここで、ゆらが滅するんだったっけ!だったらその前に…!
オレはギュッと人形を抱き締めた。
「「「なっ!?」」」
「ね…姉さん!?」「奴良さん!?」
「な……その人形を放すんや!襲われるで!!」
「この子はただ…持ち主のところに帰りたかっただけだ……」
「だからといって……そいつは私らを……」
「あいにく、オレにはこの人形の心の声が聞こえたんでな……ほっとく訳にはいかない。帰りたいから……襲ったんだろ?滅されると思って……」
うん……あの子のところに帰りたい……私はもう……妖怪になっちゃったから……滅されちゃう……だから……襲った……ごめんなさい…
今度は綺麗な透明の涙が流れた。
「おい、陰陽師」
「は、ハイ?」
「陰陽師が簡単に一般人に妖怪や陰陽師がいることを言っていいのか?」
「!!」
「人間に気付かれないよう…ひっそりと妖怪を滅していくのが、陰陽師の役目ではないのか?じゃなきゃ、この世はもう、妖怪がいると、しれわたっている。」
「っ……それ…は………」
ゆらは言葉がつまる。
「そんなこともわからないなんて……半人前以下だな」
「っ!」
「姉さん……そこまで言わなくても」
「これぐらい言っておかないと、また他の人にペラペラしゃべるだろ」
そして、空気が悪いまま、解散となった。
「姫……その人形…どうするんですか?」
「ん?ああ、この子はオレの式神にする。」
「「えっ!?」」
「大丈夫だよ……姿とか…この人形じゃない別のものに魂を移すし……もうこの子は……悪さはしないよ。な?」
ハイ!一生……貴女の元にいさせてください!
「な?」
「うう……」
(なんか……どんどん、陰陽師っぽくなってきてるような…)
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作者名:桜 | 作成日時:2015年2月27日 20時