照れ屋な女の子と角名くん。

うさぎとくま。 ページ9

次の日。

その日は嫌な授業ばっかりで
嫌だなあと思いながら渋々準備をした

1時間目は私の嫌いな英表
教科がきらい、というよりは授業のやり方がきらい

めちゃめちゃ当ててくるし、威圧感が凄い先生だから
目が合うだけで体がこわばってしまう、非常に疲れるのだ

おまけに今日は日直、日誌を書かなきゃいけないし
もしかしたら仕事を頼まれるかもしれない

とりあえず今の時点で書けそうなところを書いていく

うーん、スペース余りそうだから落書きでもするか








「星野さん」


右隣から、私を呼ぶ声が聞こえた

見れば角名くんが少しだけ屈みながら私の方に手を出している
その手の上には、私の消しゴム

気づかないうちに落としてしまっていたみたいだ

「落としたよ」

「っあ、ありがと、ごめんね」


消しゴムって落としても音がしないから厄介だよね


消しゴムを受け取って日誌の続きを書こうと思ったが
角名くんは席に戻る気配はない

「えっと…どうしたの？」



「可愛い絵、描くんだね」

「えっ」



角名くんはちょっとだけ笑ってそう言った


まさか、日誌の端っこに書いていたうさぎとくまを
見られていたというのか


ちょっとだけ恥ずかしくなり下を向く


角名くんは何故か少しだけ満足そうに自分の席に戻っていった


(なんで嬉しそうなんだろ…)



でも、ちょっとだけでも話せたのが嬉しかった









もっと仲良くなりたい

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