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「あかんて、それ反則…」
当の康二くんは泣きそうな声で隣のしょっぴーの首に抱きついて、反対側に立ってる阿部ちゃんから頭ぽんぽんされてる。
甘えるのと甘やかされるのが上手なんだから。
…ん?
めめがちょっと不機嫌そう。
「笑顔も好きだけど…」
康二くんを見てる目がすっと細くなる。
「…康二ん家のソファ、」
がたがたっ
康二くんが急に立ち上がった。
「康二!? どうしたの…?」
「びっくりさせんな、…おい、大丈夫か?」
阿部ちゃんとしょっぴーから心配されるくらい、みるみる赤くなっていく。
「…で、俺遊びに来てるのに康二寝落ちしちゃって。そん時の寝顔もかわいかった、っていう報告」
めめの続きを聞いて、すとん、と椅子に座る。
「…なっ、何、言うんかと思たやん、もぉ…」
両手でほっぺた押さえてる康二くんは、眉が下がって、本当に泣いちゃいそうで、なんか…ドキッとした。
「ごめん、気にせんとって…わー、恥っずい……」
いつも元気な康二くんがこういう顔してるところ、最近よく見るようになった。
もともと泣き虫だけど、わーって泣くいつもの感じとも違う、溢れそうな何かを我慢してる感じ。
目線の先には決まってめめがいる。
…2人だけの秘密があるんだね。
ちょっと寂しいような羨ましいような気持ちで、さっきとは違う苦しさが胸に残る。
「蓮、今のちょっと怖いわ」
佐久間くんの声につられて見た先には、ちょっとご機嫌が治ってるめめ。
「かわいい嫉妬じゃない? …目黒、俺書き終わったから、ここおいで」
年長の2人にそう言われて「ばれたか」って苦笑する。
めめのその表情も、康二くんがさせてるんでしょう?
ちょっと苦しそうで、でもそれを手放す気はないような…僕にはまだ経験のない感情。
康二くん家のソファで何があったんだろうね。
それは考えちゃいけないこと…?
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すず(プロフ) - みなさん» コメントありがとうございます!初めて頂いたコメントに嬉しい言葉がたくさん並んでいて、どきどきしています…。また覗いてくださると嬉しいです^^ (2022年10月10日 8時) (レス) id: 042e012db9 (このIDを非表示/違反報告)
みな(プロフ) - いきなりコメント失礼します。いつもキュンキュンしながら読ませていただいています。完結おめでとうございます。すずさんの作品大好きです。 (2022年10月9日 16時) (レス) @page48 id: 2fd29c3102 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すず | 作成日時:2022年9月4日 11時