検索窓
今日:43 hit、昨日:10 hit、合計:90,541 hit

 - 20 : mm ページ32

「さっくん、あれ、襲ってへん?」

「完全に阿部ちゃん押し倒してるな」

康二と一緒に撮影の順番が回ってきたと呼ばれて、今は待機しながらひとつ前の佐久間くんと阿部ちゃんの撮影を見てる。

「…康二」

「ん?」

「あれやる?」

「あれ?…え、や、やらん!」

押し倒すジェスチャーに康二が大きく首を横に振った。

「俺が康二に乗り上げたら、本当に身動き取れないもんな」

「やめよ…心臓保たん…」

自分からはあんなにひっついてくるのに、俺から行くと時々逃げ腰なんだよな。

佐久間くんたちが終わってから、少しセットが調整されて、俺たち2人が呼ばれる。

機材に囲まれたスペースには、テーブルやワゴンを背景にふかふかの絨毯が敷かれていた。

みんなが食事してた足元で、隠れて悪いことしてる感じ。

ちょっとわくわくするかも。

「どっちが食べたいですか」

「はい! 俺、めめのこと食べてみたい!」

康二がすかさず手を挙げる。
いつも通りに戻ったかな。

絨毯に腹這いになって、向かい合って肘をつく。

「はい、どうぞ」

「いただきます!」

俺が差し出した手に向かって、康二があーんと口を開けたところで撮影開始。

シャッター音に合わせてゆっくり指を齧りかけて、ふと手を見ていた康二の視線が俺を向く。

ぱち、と目があって、照れ笑い。

口の形が変わって、唇と歯が指に触れた。

「んわ、ごめんっ」

「…大丈夫」

そう返しながらも、ぴりぴり甘い刺激にちょっと動揺した。

 - 21 : mm→← - 19 : ab



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (113 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
260人がお気に入り
設定タグ:skab , iwfk , dtnb
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

すず(プロフ) - みなさん» コメントありがとうございます!初めて頂いたコメントに嬉しい言葉がたくさん並んでいて、どきどきしています…。また覗いてくださると嬉しいです^^ (2022年10月10日 8時) (レス) id: 042e012db9 (このIDを非表示/違反報告)
みな(プロフ) - いきなりコメント失礼します。いつもキュンキュンしながら読ませていただいています。完結おめでとうございます。すずさんの作品大好きです。 (2022年10月9日 16時) (レス) @page48 id: 2fd29c3102 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:すず | 作成日時:2022年9月4日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。