○12話● ページ12
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閉じて頭をバッと開けて声のした方を見ると
そこにはまさかの、あの人の姿。
A「あっ…」
「また酔っ払ってんの？」
A「よ、酔っ払ってません！！」
「んふふっ」
無表情だった顔が、一気に綻ぶ。
あ、からかわれたって理解して、少し頬を膨らませた。
それから、足を私の隣まで進めて
ゆっくりベンチの空いてるスペースに腰をかけるその人。
…会えた。
会えちゃった。
微かな興奮を心の中に抱えながら
ちらっ…と彼の方に視線をやる。
A「…よく来るんですか？ココ」
「ん？…んぁー、そうかも」
A「そう、なんですね」
今の質問、ストーカーっぽくなかったかなって少し心配したけど
夜空を見上げて、さっきの私みたいにボーっとしてるその人。
気にしていたのは、私だけだったみたい。
「そういや体調は、よくなった？」
A「お陰様で…」
「そらよかった」
まだちょっとさみぃね、なんて
空を見上げながら言うその人の横顔。
少し距離を置いて座ってるからか
輪郭がぼんやりとして見える。
まるで、すぐ消えてしまいそうな。
A「あの、その節は本当にありがとうございました…」
「んー」
A「あの、何かお礼をさせていただけませんか？」
「いいよ、んなの」
A「いや、それだと私がすっきりしません」
「えー…あ、じゃあアレ」
そう言って指をさした先を見ると
そこには、公園の隅にポツンと立っている自販機。
「俺、あそこのお汁粉好きなんだよね。あれ買って」
A「そんなのでいいんですか？」
「そんなのってなんだ。俺結構好きなんだぞ」
A「あ、失礼しました(笑)」
言われた通りに自販機の前に走って行って
値段を見ると、お汁粉は100円。
…本当にいいのかな、コレで。
でももう一度確認したら、また怒られそうだったから
200円入れて自分の分も買い、ベンチに戻った。
A「どうぞ」
「コレコレ！ありがと〜」
子供みたいに嬉しそうに受け取ると
プルタブを開けて、うんめ〜って美味しそうに飲むその人。
それを横目で見ながら、続けてプシュッて開けて
初めて飲むソレを、喉に流し込んだ。
甘い、あんこの香りが
口の中いっぱいに広がる。
A「…美味しい」
「んだろ？」
その人と飲んだ、そのお汁粉は
やけに美味しく感じて
やけに心に染みた。
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爽歌。(プロフ) - ぐちこさん» ぐちこさん、コメント有難うございます(*^^*) とっても嬉しいです…(TT)！先の章でお待ちしております☆ (2018年3月30日 17時) (
レス) id: 1b1d416676 (このIDを非表示/違反報告)
ぐちこ(プロフ) - はじめまして！遅ればせながら読ませていただいています♪2章も楽しみです☆(*^^*) (2018年3月29日 16時) (レス) id: d58eef616e (このIDを非表示/違反報告)
爽歌。(プロフ) - なるちゃんさん» コメントありがとうございます(*^ω^*) おもしろいと言っていただけて嬉しいです(/ _ ; ) 更新頑張りますね☆ (2018年2月24日 22時) (レス) id: 1b1d416676 (このIDを非表示/違反報告)
なるちゃん(プロフ) - うーん、おもしろい！ 最近智くんにハマってます！ 続き楽しみ〜〜！ (2018年2月21日 22時) (レス) id: a1fe1fb9b8 (このIDを非表示/違反報告)
爽歌。(プロフ) - ろーるけーきさん» ろーるけーきさん！美味しそうな名前！はじめまして(*^^*)コメントありがとうございます♪ 前作からっ!?嬉しいです(TT) ﾌﾌﾌ…もう少しだけ焦らさせていただきます(´∀｀)(笑) 更新頑張りますね！！ (2018年2月21日 11時) (レス) id: 1b1d416676 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：爽歌。
| 作成日時：2018年2月9日 16時
