スノードロップ【Ren,Sho】

12.同志 ページ12

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結局、彼らには
紫耀とのことは打ち明けられないまま
私たちは、先に帰ることになった。




神「え〜もう帰っちゃうのー？
一緒に飲もうよー。」


舞「飲むってあんた、未成年でしょ？
捕まって仕事干されないようにしなよ。」


神「岸君と同じこと言うんだなぁ。」


ジン君のその一言に
舞美先輩が、ピクッと反応した。




舞「………アホなこと言ってないで
ちゃんとファンを大切にしな。」


そう言って、舞美先輩は
ジン君に背を向けた。




神「ハーイ。舞美センパイ。
じゃーね、Aちゃん。」


おちゃらけた口調で
ジン君が私に手を振る。




貴「あ………さよなら。」


廉君が気になって、ちらっと彼の方を見ると
彼は、私を見て、くしゃっと微笑んだ。




廉「今度は、タメ語で話してな。」


………今度が、あるのかな。


紫耀と近い存在の彼だから
遅かれ早かれ、その時は来る気がした。



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舞「ごめんね、A。
びっくりしたよな。」


貴「あ………全然。
びっくりはしたけど………。」


私の少し前を歩いていた先輩が
振り返って、困ったような笑みを浮かべた。




舞「久々なんだよね、あいつに会うの。
相変わらずチャラいよねぇ。
テレビで見るまんまだよ、ホント。」


貴「こんな偶然、あるんですね。
あのバー、芸能人がよく来るんですか？」


舞「………そういうわけじゃないんだけど。
ジン君は、よく使ってたみたい。
最近は、見かけなかったんだけど。」




舞美先輩が、彼と知り合いだった事実が
あまりにも衝撃的過ぎて
世の中狭いんだなぁと思ってみる。




貴「でも、びっくりしました。
今まで、一切そういう話しなかったですよね。」


舞「ユナとかに話したら
一発で拡散されそうだし。」


貴「確かに。」


そう言って、クスクスと笑い合う。


少しの沈黙の後
舞美先輩が、口を開いた。




舞「………あのさ。
Aの彼って、もしかして芸能人？」


思わず固まった私を見て
舞美先輩は、柔らかく微笑んだ。




舞「言いたくないなら、言わなくてもいいけど。
なんとなく、そうかなぁって。」


舞美先輩の瞳は、まるで
“わかってるよ”と言いたげな
そんな優しさがあった。




貴「………もしかして、先輩も？」


聞いていいのかわからなかったけど
さっきのジン君との会話を聞く限り
舞美先輩も、きっと。





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