スノードロップ【Ren,Sho】

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神「まあ、俺が知ってんのは
紫耀の彼女が一般人ってコトだけだけど。」


彼の言葉に、張り詰めていた気持ちが
一気に解きほぐされる。




廉「へぇ、そうなんや。
俺、てっきり芸能関係の人かと思ってた。」


神「ああ、なんか噂になってるよな。
ホラ、あれ。
前に紫耀とドラマで共演してた……」


廉「ああ、なんか外人みたいな名前の人？」


神「そうそう！それ！
あの子、すっげーキレイだよなぁ。」


………やっぱり、噂になってるんだ。


だけど、紫耀がジン君に
彼女は一般人って言ってくれているなら
もうそれだけで充分だった。




舞「ちょっと。気をつけなよ、あんたら。
どこで誰が聞いてるかわかんないんだよ？」


神「だーいじょうぶだって。
このバー、隠れ家的な感じで
若い女の子とか滅多に来ないし。」


そう言って
ジン君が舞美先輩の隣に腰を下ろす。


………同じ芸能人でも
危機感とか、こんなにも違うんだなぁ。


そんなことを考えていると
ふと、私の隣の椅子が引かれた。




廉「なぁ、何飲んでるん？」


いきなり至近距離で話しかけられて
思わずビクっと震える。




貴「え、あ、あの
ノンアルコールの、カクテルです………。」


廉「ふーん。美味い？」


興味深そうに、私のグラスを覗き込む彼。
………もしかして、欲しいのかな？




貴「あ………飲みます？」


廉「ええの？サンキュ。」


そう言って、私のグラスを奪い取る。




廉「何コレ！バリ美味いねんけど！」


瞳をキラキラ輝かせて、私を見つめる彼。
その顔を見ていたら、なんだか笑ってしまった。




神「おまえ、Aちゃんの取るなよ。」


廉「あ、ホンマや、ほとんど飲んでもうた。」


貴「あ、いいですいいです、全然。
私、そんなに量飲めないので。」


廉「なぁ、Aちゃんっていくつなん？
ずっと俺に敬語使ってるけど。」


いきなり下の名前を呼ばれて
胸が、どくんと波打つ。


こんなに近くに芸能人がいたら
心臓持たないよ………。




貴「えっと………1998年生まれです。
次の誕生日で、19になります。」


廉「マジ？同い年やん！」


貴「………ですね。」


………知ってるよ。
あなた、有名人だもん。




廉「マジかー。なんや、親近感湧くなぁ。」


なんだか、奇妙な感じがした。


私は、紫耀から話を聞いて
彼のことを知っているけど………。


紫耀と付き合ってること
ちゃんと言った方がいいのかな？
でも今は、舞美先輩もいるし………。



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