唯一無二の同僚 ページ3
久しぶりに櫻井さんとお話をしてから
二日経って、今日は金曜日。
「二宮、今日は“華金”だよ！久々に飲みに行かない？」
「珍しい、咲坂から誘ってくんの。何か進展したのか？」
「いや、何の進展もないけど、この間少しだけ話してさ、二宮の事とか話してたら懐かしくなって。」
「ふーん。まぁ、最近行ってなかったし、情報交換でもしますか！」
「さすが、話のわかる人で助かります。」
二人揃って、しっかり定時であがり
お決まりの店に足を進めた。
「「おーちゃんカウンター空いてる？」」
「おー、久しぶりだな〜。カウンター空いてっぞ〜」
私達の大学の先輩である“おーちゃん”こと
大野智が経営してる居酒屋 、
《Sea Fishing Jizo》
店の名前だけだと一見、
海の幸しか出してないみたいだけど
オールマイティーに肉だったり
中華、洋食、和食、イタリアンとか
何でも出してくれるお店だから
二人で飲むときは絶対にここ。
そもそも、二宮は海の幸苦手だし(笑)
それなのに、よくおーちゃんと仲良くなったな(笑)
二宮とは同僚って言っても
実は高校、大学も一緒だったりする
いわゆる“腐れ縁”ってやつ。
まさか、社会人になってからも
一緒に居るとは思いもしなかったけど…
「お前ら二人さ、もう付き合っちゃえばいいのに〜」
「残念だけど、俺こいつを異性として見た事、
一度もねぇんだよな〜確かに顔好みだけど」
「私も〜おーちゃん、いつもその話し持ち出すじゃん、面倒くさい」
「はいはい、ご注文は？」
おーちゃんは心配してくれてるんだろうけど
私達は本当に一度も、お互いに異性として
意識したことがないんだよな。
男女の友情は成立しない
ってよく言われるけど
人それぞれ色んな形があるわけで、昔、
40歳過ぎても相手が居なかったら
結婚するか！
そうだね〜お互い老後のために…
なんて話した事もあったけど(笑)
二宮との結婚生活は全然想像出来なくて
その後すぐに二人して
やっぱり…結婚とかないな(笑)
ってオチに至った。
その時も、寂しいとか女性として見られたい。
みたいな感情は何一つなくて
本当に仲の良い友達、同僚って枠で収まってる。
「で？久しぶりに、何話したの？」
「大した事じゃないよ？そう言えば、二宮今でも“さん”付けで呼んでるの？」
「まぁ、今更変えられないし」
「まぁ、そうなんだけどね〜あっ、そう言えば
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作者名：二葉(ふたば) | 作成日時：2018年2月16日 23時
