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ホワイトデー<iw mt>1 ページ6

俺は結構つっ走るタイプなのかもしれない。

毎日電車で見かける可愛い子。
同じ駅で降りるその子とはたまに目が合う気もする。

今まで声すらかけられなかったけど、
「その子が四月から電車使わなくなったらどうすんだよ!」
という冗談混じりの友達の言葉に急に焦りを覚え、行動に移そうと決意した。

今は2月。最近はずっとマフラーをしているその子を、俺は勝手に大学生だろうと認識しているけど、確かに何年生かなんて分からなくて、四月になって急に姿が消えてしまうかもしれない。

焦る俺はふとひらめいた。
もうすぐバレンタインデーだ。

あの子にチョコを渡して告白しよう。あまり流行ってはいない「逆チョコ」だけど、手段は選んでられないと思った。



「あのっ…!」

いつもの駅で降りて、先にホームを歩いていた彼女を引き止める。彼女は思っていたより早足で、俺は必死に追いついた。

綺麗な髪を揺らして彼女が振り向く。

『…はい……』

びっくりした顔。毎朝見てきた顔。
彼女を目の前にして、真っ白になった頭を必死で動かす。

「あの、えーと、これ貰ってください。…えっと……いつも電車で見かけてて…ずっと、気になってました。」

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作者名:かぷかぷ | 作成日時:2020年3月27日 3時

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