30-気になるあの子 ページ30
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「どしたのA！」
優しくて暖かい名前が聞こえて、俺は眠っていた体を机から起こしてそちらを見た。
登校の時間。授業まであと5分。
いつも俺よりも早いAは、登校ギリギリにやってきて彼女の友達から悲鳴を上げられていた。
「すごい隈…またアイツに何かされたの？」
「っううん、違うよ、」
「何かあったらすぐ言いなよ！」
「ありがと」
へらりと笑うAは、今日も一番女の子で、可愛い。
でも目で追ってるから分かる、目が腫れてて疲れた顔をしてる。
すっかり覚めた眠気に、俺は頬杖をついて席に座る彼女をじっと見つめ続けた。
キーンコーン＿＿
「きりーつ…礼……」
若干猫背になって座り直した彼女がポケットから取り出したのは、昨日のハンドクリーム。
だけどそれを使うとも無く、Aはそれを手に取って見つめていた。
斜め後ろの席じゃ、Aが今どんな顔してるのかが分からない。
「＿号令ー」
「起立……」
長い授業が終わって起立したついでに真っ先に彼女の元に向かう。
「A」名前を呼んでも彼女は気付かなかった。
もう一度呼んで肩を叩けば明らかにびくついたそれ。
「っび、くりした」
「何か元気ないねー。どうしたの？」
「炭彦君……」
元気がない理由は、何となく分かる。
伊達にずっと彼女を見てるから、…分かりたくなくても、分かってしまう。
だけど俺はそれに気付かれない様に、今日も知らないフリをして前の席に腰掛ける。
「…炭彦君はさ、」
「うん？」
「好きな人とか、居る？」
「……居るよー」
突然そんな事を聞かれて若干口元が引きつった。
好きな子は目の前に居るんだけど。
そう言えたらどれだけ楽か。
「もしさ。
…好きな子と付き合っちゃいけないって言われたら、どうする？」
「……俺は」
まん丸で大っきい茶色の瞳が俺をまっすぐに見据える。
不安げな表情を浮かべて、そんな事を言う彼女。
小さな体にどんな不安を抱えてるんだろう。
俺が支えてあげたい。
「それでも諦めないよ」
「…！」
「好きで好きで仕方ないのに、付き合っちゃいけないなんて理由で諦めるなんてできないでしょ。精一杯もがいて努力して、俺は好きな子を好きでい続ける
1番にその子の幸せを思い続ける」
「……そっかぁ」
そういった彼女は幾分か安心の顔に変わっていて。
Aが笑うと俺も堪らなく嬉しくなる。
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k - おそらまめさあああああああん、、(4回目)いや、あの最高でした。胸きゅんってこういうことを言うのですね、、やはり実弥のかっこよさは最高ということですね。(？) (6月15日 23時) (
レス) @page46 id: 5d2f3eba17 (このIDを非表示/違反報告)
ha0824du(プロフ) - 赤の他人で恐縮ですが言わせてもらうと文才すぎやろ〜才能爆発やん！の二言です。ありがとうございます。はい。 (2022年10月6日 22時) (レス) @page46 id: 0233a38cc7 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 39ページ 舌を見ると の 舌 は 下 ではないでしょうか？ (2021年6月4日 13時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ(プロフ) - Lunaさん» Luna様、最後までご愛読ありがとうございました！最後は少し駆け足になってしまいましたが、胸きゅんお届けできて嬉しいです(^^)かっこいい実弥さんは永久不滅です！ (2021年5月29日 1時) (レス) id: bb8d3426f9 (このIDを非表示/違反報告)
Luna(プロフ) - はじめまして。胸きゅんの素敵なお話ありがとうございました。実弥さんかっこよすぎましたっ！！ (2021年5月28日 16時) (レス) id: acb6885805 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おそらまめ
| 作成日時：2020年10月22日 21時
