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03‐夢から一転 ページ3

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家のすぐ近くのバーの看板前。
明るすぎないライトに照らされながら、私は足を止めた。

これ以上進んだら、私の家がバレてしまう。


私を送ってくれた警官も、歩みを止めた事に気付いて少し先で立ち止まった。





「こ、ここで大丈夫です……。家、曲がってすぐなので……」

「そうかァ。んじゃ、気をつけてな」

「〜〜あの!」





ポケットに手を入れてたり口が悪かったり、警官とは思えないふるまいだったけれど、それでも確かに、この数分間が居心地の良いものだと実感していた。


こんな事、普段の私ならきっと言わない。





「ありがとうございました! また、……会えたら…」

「ふは、何だそれ!
警官にまた会いてェなんて言った奴、お前以外に居ねェぞ」





警官は笑った。
やっぱり笑うと鼻の上にしわが寄って、鋭い眼光が少しだけ柔らかくなる。

そして私の元まで自転車を押してやってくると、真正面にもう一度大きな体が立つ。


警官は私の頭にぽん、と冷たくて大きな手を乗せた。





「またなァ、高校生。おやすみ」

「っ……!」





その瞬間、私の心臓が何かに撃ち抜かれた音がした。

とろけるような甘い顔、に見えた。

大人って、こうなんだ。
やばい、すごい。超格好いい。


これって何ていうんだっけ。
ああ、恋だ。





「私の初恋……」





私が曲がるまでずっと見送ってくれているその姿を2度も3度も振り返って確認して、そのたびにその警官は困ったように笑った。「はよ帰れ」と優しい口調で私に言った。

そしてそのたびに私の胸が、おかしいくらいにキュンキュン鳴った。


……うあー、やばい。こんな気持ち、初めて!



久しぶりに、軽い足取りで大きな門を潜って家の扉を開けた気がする。





「ただいまぁ…」

「A」





びく、

スリッパの音と、厳格で冷たい声。


ああ、もう。折角いい気分だったのに。
台無しだ。



ローファーを脱ぎながら、そろりと顔を上げる。
いつも通り、疲れた顔したママが仁王立ちで私を見下ろしていた。





「門限ギリギリじゃない」

「塾が長引いたんだから仕方ないでしょ」

「ママを心配させないように帰りを急いだりできないの?」

「……疲れたから寝る」

「A!」





ママを通り過ぎて階段を上がる。


高2の夏から、ずっとこの調子だ。
ママは私の事をどうしたいの。

本当は、勉強なんて、したくないのに。



私は、本当は、やりたいことがあるのに。





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04‐今日くらいは→←02-不思議な警官



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k - おそらまめさあああああああん、、(4回目)いや、あの最高でした。胸きゅんってこういうことを言うのですね、、やはり実弥のかっこよさは最高ということですね。(?) (6月15日 23時) (レス) @page46 id: 5d2f3eba17 (このIDを非表示/違反報告)
ha0824du(プロフ) - 赤の他人で恐縮ですが言わせてもらうと文才すぎやろ〜才能爆発やん!の二言です。ありがとうございます。はい。 (2022年10月6日 22時) (レス) @page46 id: 0233a38cc7 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 39ページ 舌を見ると の 舌 は 下 ではないでしょうか? (2021年6月4日 13時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ(プロフ) - Lunaさん» Luna様、最後までご愛読ありがとうございました!最後は少し駆け足になってしまいましたが、胸きゅんお届けできて嬉しいです(^^)かっこいい実弥さんは永久不滅です! (2021年5月29日 1時) (レス) id: bb8d3426f9 (このIDを非表示/違反報告)
Luna(プロフ) - はじめまして。胸きゅんの素敵なお話ありがとうございました。実弥さんかっこよすぎましたっ!! (2021年5月28日 16時) (レス) id: acb6885805 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おそらまめ | 作成日時:2020年10月22日 21時

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