20-揺れ動く ページ20
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何が起きたのか分からなかった。
ただ、一瞬だけ実弥が目を瞑って、その高い鼻と長い睫毛を私の頬に滑らせて…それから。
………え、今。キス、した?
「…っ、さ…ね、んぅ、」
確認しようと私が口を開いた時、今度こそ紛れもないキスをされた。
知らない、大人のキス。
さっきみたいな触れるだけのものなんかじゃなくて。
別人みたいな甘い吐息が私の口から漏れ出た。
少し荒々しく押しつけられる唇。
食べられるかのように、薄い彼のは私の唇を貪った。
「〜〜〜ぅ、む…っは、」
「っ…は、」
長時間続いた口付けが区切りを見せた頃に漸く息が出来た。
奪われていた酸素が脳に回っていく。
一方で彼は息一つ乱れず、甘い顔で私を見つめていた。
「_A」
「っ、…」
容赦ない低い声が私を呼ぶ。
彼の瞳の奥は滾るように熱く私だけを映している。
実弥に呼ばれただけでじん、と下腹部が燃えた。
大きな手が私の頬から後頭部に移動した。
…まずい。また、嵐が降ってくるんじゃないか。
逃げるように立ち上がった私の手首を、実弥は逃がさないとでも言うように掴む。
そして彼も立ち上がると私に覆い被さるように立ちはだかって、テーブルに両手をついた。
「……っ、」
「…んな顔、どこで覚えてきやがる」
私、どんな顔してるんだろう。
首を傾げるとまた軽く唇が触れて、「えっろい顔」と耳元で囁かれた。
…そんな顔、してる? 思いがけない言葉にみるみる私の顔に熱が集まっていくのがわかる。
それを見て実弥は意地悪そうに目を細めて笑った。
「…俺の服着て、余計そそんなァ」
「っへ、」
「ブラ紐見えてる」
長い指が私の首から鎖骨にかけてなぞり、ぱちん、とブラの紐を弾いた。
とんでもない仕打ちに、ますます頬が熱くなる。
逃げたくても彼の足の間にいるから逃げられない。
リビングのテーブルでこんな事してるのに背徳感で押しつぶされそうだ。
至る所に薄い唇が降ってくる。
啄むようにキスをされて、最後に私の口に。
さっきまでの比じゃない位激しいキス。
ぬるりと舌が入ってきて、舌先がぶつかり合う。
「っはねみ、」
キスされながら必死に彼の名を呼ぶと、それが起爆剤となったのか、彼の手に更に力が篭った。
私の体の線に沿うようにごつごつした手が触れる。
そして彼の手が私の服にかけられた時、
ピーッ
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k - おそらまめさあああああああん、、(4回目)いや、あの最高でした。胸きゅんってこういうことを言うのですね、、やはり実弥のかっこよさは最高ということですね。(?) (6月15日 23時) (レス) @page46 id: 5d2f3eba17 (このIDを非表示/違反報告)
ha0824du(プロフ) - 赤の他人で恐縮ですが言わせてもらうと文才すぎやろ〜才能爆発やん!の二言です。ありがとうございます。はい。 (2022年10月6日 22時) (レス) @page46 id: 0233a38cc7 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 39ページ 舌を見ると の 舌 は 下 ではないでしょうか? (2021年6月4日 13時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ(プロフ) - Lunaさん» Luna様、最後までご愛読ありがとうございました!最後は少し駆け足になってしまいましたが、胸きゅんお届けできて嬉しいです(^^)かっこいい実弥さんは永久不滅です! (2021年5月29日 1時) (レス) id: bb8d3426f9 (このIDを非表示/違反報告)
Luna(プロフ) - はじめまして。胸きゅんの素敵なお話ありがとうございました。実弥さんかっこよすぎましたっ!! (2021年5月28日 16時) (レス) id: acb6885805 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おそらまめ | 作成日時:2020年10月22日 21時