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19‐溶かすコーヒー ページ19

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キッチンから戻ってきていた実弥に、後ろから軽い力で頭を小突かれる。

彼はこういう軽いスキンシップをするから罪だ。





「……何か、彼女の写真でもあるのかなーなんて探してた」

「あったらどうすんだよ」

「申し訳ないから帰ってた」

「そもそも彼女なんざ居たらお前を入れてねェっつの」

「それもそうか」





ぶっきらぼうな返答にどうも安心する。
…それじゃ、私が彼女になったら彼は私以外を部屋に入れる事はないんだろうか。


 この部屋に何人の女の子が入ったのかな。
きっと元カノだって居たんだろうな。





「…下らねェ事考えてるようだが、この部屋に入ったのはお前が初めてだァ」

「……っえ?」

「警察学校から彼女は作ってねェし、一人前になってから漸くここに住み始めてっからなァ」

「そう、なんだ」





どうしよう。心臓がばくばくする。
実弥は けろっと言ったけど私にとっては重大な事実だ。

 私だけ、なんだ。





「…何で作らないの? こんなに格好良いのに」

「……俺と居ても、幸せに出来ねェ」

「……どうして?」

「警察学校ってのは年間通して予定が埋まってたからデートにも連れてってやれねェし、それに、練習や勉強に手一杯で、流行りも…疎いしよ」





隣に座っていた実弥が口籠ってカップに口をつける。
コーヒーの香ばしい香りが近づいた。


ニットを着ているせいもあってか、隣にいる彼が警官なんかじゃなくて年相応の大学生にも見えてきた。
この人は一体何歳なんだ。顔が若い。





「私も勉強ばっかりやってたし、流行りなんて知らないよ。一緒だね」

「……!」

「だけどそれって、お兄さんが物凄く自分の夢に向かって努力してたって事でしょ。自分のやりたい事を仕事に出来たお兄さんが、私は凄く誇らしく思う」





不意に手が伸びてきた。
ニットの生地が頬に触れてくすぐったい。

今までカップを握っていた左手は少し熱を奪って暖かくなっている。





「お前…本当」

「おに、いさん?」

「…もう……実弥って呼ばねェの?」





破壊力Lv100位の甘くて掠れた声が耳を刺激した。

何もかもダメにするようなその声に体が硬直した時、頬に触れた彼の指先は私の唇をなぞる。


緩慢な速度で実弥の整いすぎた顔が近づいて来る。


……あ、まつ毛……色、薄いんだ。





「さねみ_、」





見つめていた彼のまつ毛が一瞬、私の頬に当たった。
その瞬間だけ、大好きなコーヒーの香りが強く支配した。





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k - おそらまめさあああああああん、、(4回目)いや、あの最高でした。胸きゅんってこういうことを言うのですね、、やはり実弥のかっこよさは最高ということですね。(?) (6月15日 23時) (レス) @page46 id: 5d2f3eba17 (このIDを非表示/違反報告)
ha0824du(プロフ) - 赤の他人で恐縮ですが言わせてもらうと文才すぎやろ〜才能爆発やん!の二言です。ありがとうございます。はい。 (2022年10月6日 22時) (レス) @page46 id: 0233a38cc7 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 39ページ 舌を見ると の 舌 は 下 ではないでしょうか? (2021年6月4日 13時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ(プロフ) - Lunaさん» Luna様、最後までご愛読ありがとうございました!最後は少し駆け足になってしまいましたが、胸きゅんお届けできて嬉しいです(^^)かっこいい実弥さんは永久不滅です! (2021年5月29日 1時) (レス) id: bb8d3426f9 (このIDを非表示/違反報告)
Luna(プロフ) - はじめまして。胸きゅんの素敵なお話ありがとうございました。実弥さんかっこよすぎましたっ!! (2021年5月28日 16時) (レス) id: acb6885805 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おそらまめ | 作成日時:2020年10月22日 21時

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