愛情過多【浦島坂田船】

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私の叫びも虚しく、朝はやってくるものだ。

センラは大学生。
今日は運良く一コマ目は入ってないため、センラはきっと遅く起きてくる。


私はそそくさと準備をして、なるべく音を立てないように家を出た。


昨日のことがあってから、どうやってセンラと顔を合わせればいいか分からない。
浦田くんとは違い、日常生活を一緒にする人だ、無視なんて、できるわけが無い。


というかセンラも浦田くんも、なんで私なんだろう、もっといい子探せばいそうなのになあ。




学校に着き、廊下を歩く。
朝練がある人は部活だし、そうじゃない人はもっと遅く来る。
じゃあなんで私はこんなに早く来てるのかと言うと、なるべく会いたくない人がここにもいるわけで。
その人と会わないために時間をずらした。この発想は自画自賛しそうになる。



静かで人通りが少ない廊下を歩いていると、空き教室の方に急に引き寄せられる。
勢いよくバランスを崩した私はそのまま為す術なく床に当たって_____ない。
当たらない代わりに、布の感触。
恐る恐る目を開けた途端、聞きたくない声が頭上から振ってきた。




｢朝から積極的ですね〜先輩、そんなに俺に会いたかったとか？｣



｢…………志麻、くん｣



私の倒れ込んだ先でにやにやと意地の悪い笑顔を浮かべているのは、私の悩みの種の原因その2、一個下の月崎 志麻。



うまくかわしたと思っていたのに、

なんで、私はまたこの人に捕まっているんだろう。


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