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24話 ページ25

『監督生さん、足元!』


ユウ「え?」


ぎゅっ!!


レオナ「いっってぇ!!」

はあ…何故毎回こんなトラブルに巻き込まれるのだろうか。

よりによってレオナ先輩の尻尾を踏むなんて…


ユウ「ん?今何か踏んだような…」


足元を見てから何もなかったかのようにそのまま進もうとする監督生の腕を、咄嗟に掴んだ。


レオナ「おい、人の尻尾踏んでおいて素通りとはいい度胸だな。」


グリム「あんたここの管理人さん?にしては、柄が悪いような…」


レオナ「こちとら気分良く昼寝してたってのに、思いっきり尻尾踏みやがって…最悪だ。」


『すみません、レオナ先輩。監督生さんが尻尾を踏んでしまったのはよく見てなかった、わた…僕の責任でもあります。どうか見逃してやってください。』


少し慌ててしまって「私」と言いかけてしまった…
が、そんなものどうでもいい。穏便に済ませるのが先だ。


ユウ「すみません…」


レオナ「あァ…お前、入学式で鏡に魔法が使えねぇって言われてた草食動物か。ふうん…」


レオナ先輩は監督生のことをじろりと見てから、顔を近づけてすんすんと匂いを嗅ぎ出した。


ユウ「えっ!?ちょ…」


監督生は驚いたような声を出してるけど、にやけているからどことなく嬉しさが滲み出てる。あんなのの何が嬉しいんだろう…


レオナ「…はっ。本当にちっとも魔力の匂いがしねぇ。」


レオナ先輩が鼻で笑った。


レオナ「無抵抗の相手を傷付けるのは気が進まないんだけどなァ。」


グリム「うっ、なんだかこいつに睨まれると背中の毛がゾワゾワするんだゾ…」


レオナ「このレオナ様の尻尾を踏んでおいてなんにもナシってそりゃねぇだろ?気持ちよく寝てたところを起こされて機嫌が悪いんだ。歯の一本も置いてけよ。」


ユウ「ええええ!」


監督生がなんだかわざとらしくも見えるような驚き方をした。


グリム「おい、子分!A!早くずらかるんだぞ!」


グリムが逃げる準備をしている時、誰かがこちらに駆け寄ってきているのが見えた。


ラギー「レオナさーん!」


レオナ「………あ?」


ラギー「もー、やっぱりここに居た。レオナさん、今日は補習の日ッスよ!」


レオナ「あー…うるせぇのが来た。」


ラギー「レオナさん、今日補習の日っスよ!ただでさえダブってんスから。これ以上留年したら、来年は俺と同級生っスよ?」

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作者名:すた | 作成日時:2023年1月4日 0時

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