彼は私に冷たい【snr】

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「ただいま〜」


センラの声が聞こえてどくりと心臓が飛び跳ねた。配信に耳を傾けることに夢中で鍵の音に気付かなかった、未だにイヤホンから流れる配信を急いで止める。


「お、おかえり」
「ん」
「夕飯今から作るね」
「…手伝う」
「えっ、？」
「やから手伝う、手洗ってくるからちょっと待ってて」


自身の耳を疑った。手伝う…？今までキッチンに肩を並べるなんて、そんなこと無かった。今日は驚きの連続だ、と一人感じる。

センラがキッチンに戻ってくれば、作業を分担してお米を炊いて、ハンバーグを作っていった。


…


「「いただきます」」


初めて2人で作った、少しだけ歪なハンバーグを口にする。ハンバーグの形は、私たちの不器用な関係性表している様にも見えてきて、それが可笑しく思えて笑ってしまう。それを見たセンラは訝しげに私を見詰めて口を開く。


「…何笑っとるん」
「ううん、何でもない。…けど」
「けど？」
「幸せ、だなぁって」
「っ、…そ」


そう、幸せなのだ。世間一般でいうカップルと比べる必要なんてない。幸せの基準なんて人それぞれなんだから、自分自身が幸せと感じるならそれでいい。センラも同じ気持ちだといいなと浮ついた気持ちで思った。


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「今日な、ハンバーグ作ってん」
「センラさんが？せやな、まぁ2人で作ったんやけど」
「めっちゃ上手く出来てな〜ほんま美味しかった」

「こういう何気ない日常が幸せやな〜って」


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