彼は私に冷たい【snr】

８. ページ21

.



衝撃的な事実が発覚してから数日。それまで少しずつ変化があった私の心境が、あの日をきっかけにガラッと変わった。

彼の口から直接言われた訳では無いから実感はしていないけれど、あのツイートや配信から、大切にされている、愛されていると認識は出来たことによって、心のどこかで靄がかった不安はすっかり晴れ模様だった。


それまでセンラに対しての接し方も掴みきれなくて、恐る恐るといった感じで接していたけれど、良い意味で吹っ切れてオープンに接するようになった…気がする。

私の変わり具合に疑問を抱き、暫く戸惑った様子だったセンラも考えることをやめたのか、慣れた様子で以前よりかマシになったものの、依然として私に冷たさを発揮していた。


…


「せ〜んら」
「…なに、今忙しいんやけど」
「ゲームしてるだけじゃん、戦闘系じゃないし」
「邪魔せんとって」
「…はーい」


熱心に画面に向かって女の子の着せ替えをしているセンラの肩に頭を乗せ、甘えるようにしてみれば冷たくあしらわれるどころか、邪魔をするなとまで言われる始末。

本気で怒ったわけではない事くらいわかっているけれど、これ以上ちょっかいをかけるような真似をすればそれも時間の問題だなと思い大人しく離れ、携帯を手にした。


.

.→←.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す