歌い手様のBL短編集

年に一夜の……~まふまふ×坂田~ ページ48

まふまふside
今夜は特別な日
年に1度だけ僕の大好きな君に会えるから
ま「さーかたん」
さ「まふ､来たんだ」
ま「もちろんだよ」
さ「今年こそ無理かと思ってたよ…」
ま「心配しないで年に1度は君に会いに来るから」
さ「うん…まふ…」
ま「どうしたの?」
さ「もう､来なくていいよ…」
ま「えっ､なんで?」
さ「まふには危険な目にあって欲しくないんだ…」
さ「まふには生きて欲しいんだ…」
そう言う君
毎年のこと､いつものように僕は返す
ま「さかたんがそう願うように､僕は年に1度だけでもいいからさかたんに会いたいんだ」
さ「まふ…」
さ「でもな､俺…」
ま「もういいよ…言わなくて…」
ま「さかたん」
さ「?」
ま「やっと目を合わせてくれたね」
さ「うっ」
ま「僕はさかたんのこと愛してるよ」
さ「俺も…」
さ「でもな､でもな､まふ…俺はもうダメや…」
さ「俺とまふは出会っては行けなかったんだ…」
ま「そんなことないよ!」
今年はいつもと違うな…
いつもならもう2人で楽しく話したりしてるのに…
さ「まふ､ごめんな､ごめんな…」
そう言いながら泣く君
あぁ､もう時間なんだ…
君と僕が会える時間は限られている
さ「もう少し､もう少しだけでいいから…」
さ「まふと一緒にいたい…」
さ「でも､もう時間なんだ…」
さ「ごめんな…」
君と僕の会える時間は年々短くなっている…
僕は空を見上げる
君も空を見上げる
ま「今年も､綺麗だね」
さ「うん…」
この時間が一生続けばいいのに…
なんて､不可能なこととは分かっていても願ってしまう…
さ「そろそろ､時間だよ…」
あぁ､もう時間なんだ…
もう君といられないんだ…
また来年なんだ…
ま「そっか…また来年」
さ「うん…また来年」
織姫と彦星の様な僕達
夜空の星に照らされて輝く君の笑顔は忘れたくない大切なもの
また､来年君に会えるかな…
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僕は目を開ける
今年も同じような夢を見た
夢ではないかもしれないけど…
毎年､この日に見る夢のようなもの
僕の大切な人
もう､名前も顔も覚えていない君のこと
日に日に君のことが僕の記憶から薄れていく…
ふと､僕は空を見上げる
そこには空いっぱいの星が広がっている…
僕の隣には誰もいない…

年に一夜の……〜まふまふ×坂田〜END

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