好きって惑わせ

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まあ確かに、彦なわけないだろう。

何事にも丁寧な性格だから、彼にとって名前を書き忘れるなど…


あ、先に紹介しておくね!

彦っていうのは、『小塚和彦』のこと。

私の古くからの友人なんだ。

彼のお父さんが有名な科学者で、
和彦も今は『科学者の卵』。

植物や動物が大好きで、優しい人なんだ。



…で、本当にどうしよう


誰かに言う?


でも今日は皆忙しいし、もしこれが騒ぎになってしまったら、奈子の婚約どころでは無くなってしまう。


そもそもこの手紙自体がいたずらかもだし、、


一応、この時間帯は奈子たちのディナータイム。


二人の方に何も起きないと良いけど…









*








*








*









ｶﾁ、ｶﾁ、ｶﾁ、…


「さぁ、そろそろ時間だ

　…待ってて、俺の愛しのプリンセス…」


形の良い口で、ニヤっと笑った。



「＿＿＿様、どうしてわざわざ面倒な会い方をするのです?堂々と会いに行けば…」



「良いんだ、これが俺のやり方だ。」



「はぁ……

　そういえば、あなた様はなぜ彼女を選んだのですか?こんな遠方で選ばなくても良かったのでは」



「詳しいことは内緒だ。
　
　とにかく、俺は彼女に感謝してもしきれないくらい希望と勇気を貰った。

　他の女性にはない魅力を感じた。

　……彼女に会いたいんだ。」



彼は頬を赤らめながら宣言した。



「これを逃すとまずい。
　だから、行ってくる。」



そう言い、返事も待たずに暗闇の中に溶け込んでいった。









＿









＿









＿









＿









＿金色の髪を月の光に照らされて









*









*









「遠回しに言い逃られてしまったな…」

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