スロープ家 ページ3
side:坂田
あの話し合いからもう数年経ってしまった。
アイランド家とは、絶対に争わないといけないのか。
昔に交わしたあの約束は、一生果たすことのできないままなのか。
たくさんの疑問を頭に抱えていて、もうパンクしてしまいそうな勢いだ。
坂田「父さんはなんでアイランド家と対立したん...」
そんなことを呟いてみる。
仕方の無いことかもしれない。
でもあの時父さんたちが国王陛下の遺言通り協力し合ってこの王国を守っていれば、俺とシマは今頃争ってなかったのでは...と、つい考えてしまうのだ。
コンコン...
遠慮気味のノックの音が響く。
きっとうらただろう。
うらた「サカ様、作戦についてご相談があるのですが...」
坂田「ああ、入れ」
控えめにドアを押し開けるうらたの手にあるポットからは、俺の好きなアップルティーの匂いがかすかにした。
後ろにいるsumが引いているカートには、アップルパイも乗っていた。
坂田「いつも助かってるわ、ありがとう。」
うらた&sum「いえいえ」
...我が軍とアイランド軍について話すには、sumがいては少し躊躇してしまうな...
坂田「sum、少し席を外してくれないか?うらたと話がしたい」
sum「...了解しました。失礼します」
アイツは察しがええから、ほんま助かるわ。
うらた「サカ様。最近アイランド家に戦いを挑んでいませんよね?あっちもなんだか最近大人しい気がしますけど...」
坂田「ああ、そうだな。...俺は本当はシマと争いたくな...うらた「それ以上言わないでください」...」
うらた「アイランド家はもう敵なんですよ、サカ様。それにお父上の意志を継げるのは現長のサカ様だけなのですよ?」
坂田「ならば!俺たちの代からでもアイランド家と和解して平和な国にするべきではないのか!!」
うらた「...そうしてしまえば、死んでいった者たちは何故死んでいったのか!意味がなくなるんですよ!?」
坂田「だからだ!このくだらん争いをなくしこれ以上犠牲者が出なくすることが最善の作ではないのか!!」
うらた「っ...」
坂田「決めた。アイランド家に手紙を書いてくれ。このくだらない争いを、終わらせよう。今こそ手を取り合わないか、とな。」
うらた「ですがサカ様!!!」
坂田「うらた!!...命令だ」
うらた「...承知しました」
うらたはアイランド家に裏切られた人がいるらしく、いつもこうだ。
俺はシマとお揃いのネックレスを見つめた。
坂田「シマ...お前も同じ気持ちやんな...?」
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kotonesama_tnk(プロフ) - はじめまして。先程こちらの作品を見つけて読ませていただきました。親同士のせいでの子の代まで続く対立…なんかこう…グッときます。良ければ続きの方、出していただけないでしょうか。ご検討の程宜しくお願い致します。 (2020年11月19日 22時) (レス) id: 66a6a6935b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:SURUMEα | 作成日時:2019年12月15日 21時