なつまつり.【ダイヤのA期間限定短編集】

◆小湊亮介×同級生◆ ページ9

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夏祭り。
それは誰もが楽しめるイベント



あ(―――のばずなんだけど)



は ぐ れ た。


私は小湊亮介くんと一緒に来ていたはずなんだけどいつの間にかはぐれてて今絶賛迷子中

連絡付けようにも今私スマホのバッテリー切れてるから連絡取れない



あ「亮介…どこにいるのよ…」



さっきいた場所まで戻ろうとしても余計に分からなくなってとても困っている。これだから方向音痴は嫌になる。



あ「……全然楽しくない」



せっかく部活休みで珍しく亮介から夏祭り行こうって誘ってくれたのに、最悪。

はぁ…と溜息をついていると「お姉さん1人？」と声を掛けられた。

こんな時にナンパ？と思って振りかえると焼きそばの屋台をしてるだろう格好のお兄さんがいた



あ「…あ、いえ一緒に来てる人とはぐれちゃって」


「やっぱりそうだったんだ。さっきからここを行ったり来たりしてるから迷子なのかなと思って声掛けてみたんだけど」



「声掛けて正解だったね」と笑うお兄さんの姿はカッコよかった。



「もしかして彼氏とはぐれたの？」


あ「…恥ずかしながら」



と顔を伏せて言うと「なんにも恥ずかしくないでしょ」と言われた。

ビックリして顔をあげるとお兄さんは顎に手を当てて険しい顔をしていた。



「その彼氏さんも手ぐらい繋いであげたらいいのに。それならはぐれなかったでしょ？」


あ「そうです、けど」


「今頃その彼氏くんは後悔してるだろうね。手繋いでおけば良かったって」



そう、なのかな？
亮介は手なんて繋ぐの苦手そうだし探してくれてるとは思うけど後悔はしてないと思う

そんなことを考えてると「A！」と聞き覚えのある声が聞こえてきた



あ「亮介…っ」


亮介「やっと見つけた。どこ行ってたの…まあ無事で良かった」



亮介の姿が見えてとても安心した。
それでこそ泣きそうなぐらい



「君が彼氏くんかな？」


亮介「…はい」


「こんな人混みの所だった手ぐらい繋がないと。次はぐれたら変な輩に捕まるよ彼女」



それだけ言うとお兄さんは「彼氏くんが見つかって良かったね」と言って屋台へ帰っていった



あ「あ！お礼言うの忘れてた！」


亮介「別にいいんじゃない？ほら行くよ」



そういうと亮介は私の手をギュッと握りしめた



あ「え、ちょっ亮介！？」


亮介「いいでしょ、これぐらい」



もう後悔はしたくないから



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【ぴょんぴょんさんリクエスト】

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