なつまつり.【ダイヤのA期間限定短編集】

◆御幸一也×先輩◇ ページ31

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あ「あの…御幸先輩？」


御幸「ん？どうしたの？」


あ「いや、どうしたのじゃなくて…」



私は異様に温もりを感じる左手と御幸先輩の顔を交互に見ながら困っていた



あ「なんで手を繋いでいるんですか」


御幸「だってAちゃん ほっといたらどっか行っちゃいそうだからなー。手繋いでた方が安心するだろ？」



…そんなイケメンスマイルでこっち見ないで下さい

そもそも夏祭りに御幸先輩が誘って来た時点で可笑しいとは思っていたのに…
でも、私も恋する乙女なもんだから誘われて舞い上がってたから断らなかったのもあるけど！！



御幸「……それに」



ナンパ防止にもなるだろ？と私の耳元で呟く先輩



あ「な、ななっ、な、」



びっくりして顔を遠ざけたけど手を繋がれているから逃げることは出来なかった。

今ぜったいに顔が赤い。
耳も心做しかとてもあつい気がする


落ち着けA。
御幸先輩は私のことからかってるだけ

ちゃんと言葉の意味を解釈すれば大丈夫



あ「御幸先輩 そうやって私をからかうのはやめてください」


御幸「…え？」


あ「確かに私といれば御幸先輩はナンパにあわずに済みますけど、私女の子達の敵じゃないですか！」



こんな言い訳をしているが説得力はないと思う
だってまだ顔が熱を帯びてるもの…



あ「私の反応が面白いからだとは思いますけど本当心臓に悪いのでやめてくださ」
御幸「Aちゃん 本気でそう思ってる？」


あ「え…」



びっくりして御幸先輩の方を見てみると真剣な表情をした先輩の姿が。

真剣な表情をしてるけどちょっと怒ってる…？

訳が分からなくなって混乱してる私を見た御幸先輩は はあ、とため息をついて



御幸「…その様子じゃなんで俺が夏祭りに誘ったかも分かってないみたいだな」


あ「そ、それは…」



あれ？ホントだ。
なんで御幸先輩は私を誘ったんだろ

御幸先輩に誘われたのが嬉しすぎて考えてもなかった



御幸「言っとくけど俺、興味無い奴とは来ないよ」


あ「は？」



興味無い奴…？
それって私には興味あるってこと？



あ「あの御幸先輩、私の事弄んでるんですか？」


御幸「ちげーよ。夏祭り誘ったのだって手繋いでるのだってナンパ防止だって言ったのだってAちゃんのこと好きだからだけど？」


あ「え…」


御幸「俺、下心丸出しだぜAちゃん♡」



両片想い卒業




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