8(Kiside) ページ8
「あなたが人間やってる時に会いたかったね。なんか友達になれた気がする。」
愛くるしい仕草と柔らかい物腰が、人の好さを浮き立たせているように感じた。
「……ありがとうございます。」
「人間の時は、何て名前だったの?」
「…もう忘れました。」
少し照れたような…寂しそうな横顔。
「そっか…。じゃあ俺が付けてもいい?これから先、案内してくれるなら名前無いと不便じゃん。」
「そうですか?」
「うん。なんて呼べばいい?」
「…お好きにどうぞ。」
俺の質問に彼は、面倒くさそうに返事をした。
「ん〜っと……何がいいかな……う〜ん…」
「別に無くてもいいですけど…」
考え込む俺に『どうでもいいよ』とでも言いたげな案内人。
「あ!…バラちゃん!」
「ばら、ちゃん…ですか?」
「ごめん。ふと思い出した。宮田のバラちゃん(笑)」
「はぁ…」
あれ、マジ面白かったなぁ。
思い出すだけで笑える…(笑)
他にも色々考えたけど、結局頭からバラちゃんが抜けず…
「ねぇ、バラちゃん。キスマイのメンバーはどうしてる?俺が死んで、泣いてくれたかな?」
「……気になりますか?」
「そりゃあねぇ…気にならないと言ったらウソになるよね。」
「…見てみますか?」
「見れるの!?」
「はい。」
「見る!見たいっ!」
「後悔しないで下さいね。」
「う、ん…。…何?後悔するような事になってんの?」
「それは…ご自分の眼で確かめて下さい。いいですか?」
バラちゃんがふわっと掌を開くと、目の前の霧がすぅっと消えぼんやりと光が現れた。
その光の中に現れたのはメンバーが集まり、酒を飲んで楽しげに話している姿。
「……宴会やってる…」
「あなたが死んで2ヶ月後の今の皆さんです。」
「2か月後?」
「はい。ここに来るまでに随分時間が掛かりましたからね。」
「…たった2ヶ月でこれかよ…俺、嫌われてたのかな…」
若干凹むよね…
いや、かなり凹むね…
落ち込んでいたら、
「きちんとご覧になった方がいいですよ。」
バラちゃんが光を見つめて静かに言った。
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作者名:MISA | 作成日時:2014年7月7日 16時