31(Kiside) ページ31
俺の前で泣きじゃくってる千賀。
「ミツがいたから…。ミツがいつも見ててくれたから、俺達自由にやって来れたんだ。間違った時は叱ってくれて…嬉しい時は一緒に喜んでくれて…。ミツがいなきゃ…ダメなんだよ。」
「お前は俺を買い被り過ぎ。俺がいなくたって、ちゃんと皆仕事してんじゃん。」
「それはミツが帰ってきて、俺達を元に戻してくれたからでしょ?今日だって…ミツがいてくれたからニカと仲直り出来た。」
頬を濡らしたまま、拭う事も忘れて訴えかける千賀。
その涙、拭ってやれたらどんなにいいだろう。
「そう思ってくれるのは嬉しいけどさ。実際俺は何もしてないんだよ。全部お前らが自分の力で解決したんだよ。」
「俺、ミツの事尊敬してた…頼りにしてた…。これからも…すっと傍で助けてよ…。」
縋る様に差し出す手は、俺の体をすり抜けて何度も何度も空を切る。
「ミツぅ…ううぅっ…」
抱きしめてやりたい、この手で…
「……もう…泣くなよ…」
そんなに泣かれると、俺ももうヤバいんだよ…
「俺は…これから…どうしたら、いいの…?」
子供みたいに大泣きする千賀に俺は、出来る限りの笑顔で答えた。
お前に…伝えたい言葉…
「お前は、今のままのお前でいろよ。もっとお前は自信持っていいんだ。」
「ミツっ…」
「泣き虫で、天然で、真面目で一生懸命。皆の可愛い弟やってる千賀が…俺は大好きだよ。」
「でもっ…俺っ……」
「お前は才能に溢れてる。自分の好きな事を全力でやればいい。皆がちゃんと支えてくれるよ。」
「それでいいの…?」
「いいんだ。年少のお前が一生懸命頑張ってる姿が、皆の原動力になる。」
「…うん。」
まだ不安げに揺れる瞳を俺はじっと見つめた。
「お前、やりたい事いっぱいあるだろ。それをどんどん極めていけ。お前になら出来る。いつかそれが、キスマイを支える力になるよ。」
貪欲にストイックに取り組む姿、知ってるよ。
ずっと、それを傍で支えてやりたかった。
でも、もうそれは出来ないから…
「俺は、お前のその力を信じてるよ。」
この言葉をお前に伝えておくよ。
「分かった。…俺、ミツの期待裏切らないように頑張るよ。」
そう言った千賀に、もう涙はなかった。
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作者名:MISA | 作成日時:2014年7月7日 16時