13(Yside) ページ13
思わず口にしていた、居るはずのない人の名前。
そして、その当人は俺の呼び掛けにくるっと顔をこちらに向けると、驚く事もなく普通に応えた。
「おお〜っ!横尾さ〜ん!え?俺の事見えてんの???ねぇ、見えてる???」
変わらないミツの笑顔。
まるで、ずっと側にいたような…
だから…
「…うん……見えてるよ…」
俺も普通に答えちゃった…
「マジか!あいつ、やるなぁ〜。ってか、行くの大変なのに帰ってくるのは一瞬なんだな!」
ハイテンションでミツは訳の分かんない事一人で喋って笑ってる。
こっちがマジか、だよ…
「北山…」
その時、太輔があの日以来初めて声を出した。
「え…太輔が、しゃべった!」
久々に聞く太輔の声。
「えっ!ガヤさんがしゃべった!?」
俺の声に寝ていたはずのニカが目を覚まし、そのニカの大声で他のメンバーが次々と起き始めた。
「ガヤさん、俺にも声聞かせて!……って、ミツっっっっ!?」
突然目の前に現れたミツの姿に、派手に驚くニカ。
「相変わらず声でけぇな。やっと気付いたか。ってか俺ずっとお前の前にいたし。見えてないのかと思った。」
耳を塞ぎながらうんざり顔のミツを、ニカは目を丸くしたまま固まってる。
宮田と千賀は2人で抱き合って、角っこに逃げてるし、玉は太輔に抱きついて…口開けて固まってた。
「ホントに…北山…なの…?」
太輔が掠れた声で尋ねると、目じりを下げて笑ったミツはトコトコと太輔に近付き、目線を合わせて太輔の隣に座った。
「そうだよ。正真正銘の北山宏光。ただ…生身の人間ではないけどね。」
「ゆ…幽霊…?」
千賀が震える声で呟く。
「ピンポーン!千賀くん大正解!俺ね、皆に会う為に、戻って来ちゃったんだよね〜。」
うひひっと、笑う姿…
ホントに何も変わっていない。
生きてる時のままのミツ…。
俺は目の前の出来事が現実なのか夢なのか…
わからないままはしゃぐミツを見つめていた。
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作者名:MISA | 作成日時:2014年7月7日 16時