名家の次期当主に溺愛されています (ページ7)

今日:3 hit、昨日:2 hit、合計:7,651 hit

。゜+゜。〇-Episode1：運命の出会い-〇。゜+゜。ページ7

.

何とも言えない気まずい空気が流れる中、応接間に誰かが入ってくる

玲奈「失礼しまーす」

沙耶「っ…！！」

玲奈「お久しぶりです、五条玲奈です。真斗くん、本日は18歳のお誕生日おめでとうございます」

深々とお辞儀をする玲奈

玲奈は再婚前に飛鳥家の令嬢として、社交界での振る舞いをそれなりに躾けられていた

家でのわがままな態度はどこへやら…

玲奈「例の話は済んでいますか？」

雅彦「あ、あぁ…。沙耶ちゃんには、事情を説明したところだよ」

玲奈「そうですか。そういうわけだから、今日から真斗くんは…私のモノだから」

真斗「っ…」

沙耶「…」

勝ち誇った顔で沙耶を見つめる玲奈

ここで、本当に真斗と婚約を破棄されたことを実感した…

玲奈「ここからは、真斗くんと私の婚約の話になるの。だから、『部外者』のお義姉ちゃんは…帰っていいよ？」

沙耶「……はい。今日は、ここで失礼します」

軽く挨拶を済ませ、沙耶は応接間を出る

沙耶の背中を見て、優子と雅彦は後味の悪い気分になる

優子「…」

雅彦「優子…」

***

閑静な住宅街の中にある、アパートの密集地

アパート『ハイツ・ビリー』 1113号室

慶子「はぁー！？婚約破棄されたぁ！？」

沙耶「うん…」

学生時代からの友人で、バイト先の仲間でもある西条慶子に相談する沙耶

慶子は沙耶が真斗と婚約を結んでいること、家族から虐げられていることも知っている

慶子「何で！？」

沙耶「それは私が聞きたいくらいだよ…。何でこんなことに…」

蓮音「え、何も知らないの？」

隣の部屋から、金髪の小柄な青年が出てくる

彼は慶子の彼氏の林蓮音

彼も大手食品メーカー『ハヤシ食品』の跡取りで、現在は慶子と結婚前提の同棲をしている

慶子「何で蓮音まで来るのよー！」

蓮音「だって、慶子の大声が聞こえたから気になって…」

蓮音は慶子の隣に座り、一緒に沙耶の話を聞くことに

沙耶「原因を知らないわけじゃないの…。簡単に言うと…玲奈に取られたの…」

慶子「はぁー！？あの、いじわるな義理の妹に！？」

蓮音「略奪かよ…」

婚約破棄の事情を知り、呆れ気味の2人

沙耶「近衛グループと千香子さんの実家が経営する化粧品メーカーが、事業提携を結ぶんだって。それを利用して、千香子さんが真斗の婚約者を私から玲奈に変えるように言ったらしくて…」

蓮音「つまり…政略結婚か。事業提携のことを後ろ盾にされたら、断れないよな…」

.