元私の本丸参の巻 (ページ36)

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謝ページ36

持ち運び用のスクリーンをセットしプロジェクターとノートパソコンを接続する。
鶴丸様とやりあってから二晩。私は刀剣男士の皆様を呼び寄せて１つのビデオメッセージを見せることにした。

「…よし。皆様、これから映像をここに投影するのでよく見てくださいね。」
パソコンでファイルを開いて影像が流れ始める。パッと映し出されたのは１人の女性。
たちまち、刀剣男士達がどよめく。
「「主…！？」」
『…みんな、久し振り。元気にしてるかな。政府の菖蒲さんって言う人が私のこと、探してくれた見たいで今の本丸についても聞いた。
うん。
まず最初に、ごめんなさい。
私の自分勝手な判断と都合を優先させて黙って本丸を出ていってしまったこと、本当に申し訳ない。貴方達に頼って貰えなくなって、逆に迷惑をかける存在になるのが嫌で本丸を放棄してしまった。その後の混乱は察せられるし、貴方達が自棄になってしまったのも分かる。
でも、どうかそれをそのまま続けないで。
自棄になり尽くした後に残るのは破滅だけだから。どこかでストッパーをかけないと大変なことになる。私も自分自身にストッパーをかけられずに貴方達という無二の仲間をなくしてしまった。引き返せる内に引き返してほしい。

迷惑をかけて本当にごめんなさい。
でも、貴方達のこと、大好きだし、愛してる。
貴方達のその生が幸多からんことを、祈っています。

…新しい審神者さんと頑張ってね。』

ﾌﾟﾂﾝ
画面が暗く暗転した。今の映像、喋っていたのは私だが強い加工をかけて顔と声を変えて私とは違う人物に映るようになっている。
たった２分強の短い動画だったが、刀剣男士達は皆涙を溢していた。
鶴丸とやりあったときに気付いた。今一番刀剣男士達のなかでネックになっているのは私が出ていった理由なんじゃないかってこと。だったらそれを解決することでいい方向に向かうんじゃないか、そう思って鶴丸に協力してもらい作ったのがこのビデオだ。
幸い、柳星様と刀剣男士達の間は上手くいっているしコレが決定打となってくれるだろう。

ごめんなさい、でもありがとう。
皆のこと、勝手に誇りに思いつつこれからも見守っていきます。

愛しの『元私の本丸』。