元私の本丸参の巻 (ページ35)

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落着ページ35

ビリっと何かが断絶する感覚。
そんなこと、させてたまるか。
「あァァァァァ！！」
太刀が弾きあげられたまま振り下ろされないのを一瞬確認してがら空きの胴に向かって短刀を突き刺そうとして、

して、

鶴丸の羽織の裾を捉えた。
そのまま柱と羽織を縫い付ける。
「なっ…。」
羽織が変なところに留められたからか鶴丸が膝をつく。
それにかけよって頬を張る。
ばちんと大きな音が響いた。
「いい加減にしろ！！！んな我が儘言うんじゃねぇ！
後がもうないんだよ、これで終わりにしなかったらここの本丸政府が壊しちまうんだよ！なぁ！

やめてくれ！お前らがあんな風に泣くところ見たくないんだよ、生きててほしいんだよ！最低な私なんか忘れて笑っててほしいんだよ。

壊したくない…！

殺したくない…。お願い。」

刺そうとして、目の前を過ったのは昨夜の燭台切と夢の後の後悔。刀剣男士達も柳星様も守りたいと思った。

そのためだったら私は何だってやりとげる。
「…もう一度聞きます。貴女は何故私にこの本丸が元々私の居場所だったと教えたのですか。」
「……

君が何故ここを出ていったのかが知りたかった。勿論、重病を患ったこともあるだろう。だが、問題なのはどうして何も言わずに出ていってしまったのかだった。君の生死すら分からないから今更誰に問えば良いのか。その混乱が蟠って憎悪になってしまった。どうして、何も言わずに出ていってしまったんだ？」
ぎょろりと金色の眼が此方を向いた。今までで一番彼の感情がよく映し出された瞳。
「それは…、貴方達の悲しむ顔が…

いいえ、

私がもう役立たずなんだと貴方達に思われたくなかったから…。」
「…うん。そうか。」
うん、うんと頷く度に彼を包んでいた異常な殺気が溶け去る。

その時、ある名案が私の頭に浮かんだ。