【銀魂】Sleeping PrincessⅡ (ページ46)

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第八十六訓ページ46

ﾊﾟﾗ

ﾊﾟﾗﾊﾟﾗ

「…雨？」

今の今までそんな気なかったというのに、天の恵みの如く強さが増していくソレ

いつの間にか町の上空は曇天に覆われていた

「そういやァとっつぁんが言ってた。陰陽師が動いてくれてるってよ」

「陰陽師？近藤さん、どう意味だそれ」

幕府お抱えの陰陽師、結野衆
長きにわたり幕府と江戸を護ってきた一族で、彼らの術は天気をも操ることができるという

この恵みの雨は陰陽術によるものって訳だ

「さっぱり解らん」

何のことやら理解でき兼ねるが、この雨で火の鎮静化が進むことには違いない

雨のせいで視界は悪くなったが、もうひと頑張りだと土方は真選組の指揮に専念した

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『…そうか、アイツの…』

そう呟きどこか一点を見つめるAの様子に苛立った森司は、足音荒く距離を縮めると銃床でAの頭を殴打した

「何故殺したっ！何故兄上を！！何故皆を！！お前が殺して火を放ったんだろ！？」

何故だ、何故だ！
そう何度も叫び殴り続ける森司をAはされるがままに眺める

先程までと違いその目に光は無くなっていた

「……何か言ったらどうだ」

『…良い訳なんてするつもりは毛頭ない…何故なら私が』

″自分の門下生を皆殺しにしたのに変わりはないのだから″

『お前の兄を殺したのも、他の弟子たちを殺したのも私だ。他に言う事なんてない』

「っ貴様ァ！！」

『ｶﾞﾊｯ』

腹を思いきり蹴られ、逆流した胃液が口から吹き出す

「貴様は必ず地獄に落としてやる…なぶりいたぶり、苦しみを与えながら」

舌打ち一つ残し、森司は下の階へと降りて行った

『……地獄なんて、とっくに落ちてる』

森司の置いて行ったラジオからは、変わらず町民避難の声掛けと拡大する被害についての報道が流れ続けていた

『…起きてんでしょ、立花』

「…師匠」

どのような表情をしているのかは暗くてスグに判別つかない

Aはそれを捉える前に足下へ視線を移した

何となく、立花の顔を見ていられなかった

「あの、聞いていいですか…さっきの話は…本当なんですか」

『…本当だよ』

私は七年前…

己が教えていた弟子たちを皆殺しにしたんだ