【銀魂】Sleeping PrincessⅡ (ページ23)

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第六十七訓ページ23

「……」

『……』

「……」

『……何不貞腐れてんのさ立花』

見廻りに出て数分
相も変わらず立花はAを師匠と呼び、真選組設立で一新された隊の編成後も二人は変わらず同じ二番隊に属していた

故に見廻りに出る時は大抵立花が相方である

そんな隣を歩くいつもは騒がしい相方は本日、やけに静かだった
ぶすぅっと不機嫌を露わにした表情をしている

もう二年一緒にいるのだ
立花がこうなる理由も大体想像つく

大方最近山南総長と親しくしていることが気に食わないのだろう

「俺だって甘味は好きです、なのに…」

ほら見たことか

「なのに、何で俺は甘味巡りに誘ってくれないんですかァアアア！」

『あのねェ、あんたとは微妙に嗜好が違うんだってば』

例えば、私と総長がこしあん派なら、立花はつぶあん派
私と総長がきのこの山派なら立花はたけのこの里派
私と総長がアポロ派なら立花はマーブルチョコ派
私と総長がミルクチョコカカオ38％派なら立花はミルクチョコカカオ40％派

『そういう違いなの』

「何でですか、どうしてですかァアア！」

どうもこうもない、嗜好の違いだ

『ギャーギャーやかましい、あんたと甘味屋行くより総長と行った方が楽しいんだから仕方ないじゃん』

「……っ」

立花はガーン、という効果音が聞こえる程落ち込んだ

心なしか立花の周りの空気がどんよりしている
白目をむいているがちゃんと歩けているしまあ大丈夫だろう

十数分後

『はい…はい…えぇ、場所はかぶき町二丁目の…、パトカー二台お願い』

ピ、と通話終了ボタンを押し、伸びている男たちに手錠をかける

巡回中に攘夷浪士五名と遭遇し今し方とっ捕まえたところだ
護送にパトカーを要請し終えたAは後ろを振り返った

『…で、一体いつまでそのまんまなの』