【銀魂】Sleeping PrincessⅡ (ページ43)

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第八十三訓ページ43

『……』

じっと見つめていれば照れくさくなったのか慌てて話題を変えようとする立花

「し、師匠はどうだったんですか！？久々の帰郷は」

『私は…』

ﾊﾞﾀﾝｯ

『……立花？』

ぜんざいを食べていた立花が突然テーブルに突っ伏した

『おい！立花！しっかりしろ！』

強く揺さぶっても目を覚ます気配はない
動揺しながらも携帯を取り出し、病院へ連絡しようとしたところで目の前から寝息が聞こえてきた

『……』

よく見ると呼吸も正常にしているし、苦しそうな表情もなく、寧ろ気持ちよさそうに寝ているだけに見える

『…何だ、驚かせるなよ』

でもどうして急に…

まさか

そこまで考えたところで背後から聞き覚えのある声がした

「驚いてんのはこっちだぜ嬢ちゃん、何でてめェには睡眠剤効いてねェんだよ」

『…っ！？』

振り向こうとした時に首筋に走る強い電流

ぼんやりする視界の中最後に見えたのはスタンガンをこちらに向ける汁粉屋の店長だった

____

__

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「まだ連絡はつかないのか？」

イライラした様子の土方は何本目かのタバコに火をつけた

昼間から見回りに出ていた隊士二名が夜勤交代時間を過ぎても帰ってこず、見廻り中の別の隊員がパトカーだけ発見したものの、その車両を使っていた肝心の二名…柊と立花には未だ連絡がとれずにいた

連絡もせず無断で行動する奴らじゃないだけに一抹の不安を覚える

とは言え二人とも生半可な奴らに殺られるようなタマじゃない
特に柊の剣の腕は真選組でもトップクラスだ

故にそんな二人と連絡が付かない現状に焦りが生まれているのだが

近藤さんも腕を組み精神統一をしているがさっきから貧乏揺すりが止まらない

総悟ですら寝ずに部屋の隅に腰掛け、捜索に出ている隊からの連絡を待っていた

もうすぐ日付が変わる
さっさといつもの軽口叩きながら帰ってこい、そう願いながら吉報を待っていた時だった

「た、大変です副長！！」

「どうした山崎！」

血相変えて走ってきた山崎に嫌な予感が背筋を走る
しかし、山崎の口から発せられたのは思いもよらないものだった

「江戸が！江戸の町が！」

ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞｯ

屯所の居間の襖をスパンと開け、急いでテレビを付ける

″○○町上空からの中継です″

町の至るところから上がる黒煙

建物を包む真っ赤な炎の海

「何だ…こりゃァ…」

画面を見つめる土方たちは呆然とした

「一体、何が起こってやがる…」